「次にお届けするのが6年前の『カルテット』(TBS系)というドラマの主題歌の曲です。私はその時あまり知らなかったんですけど、うちの3番目のお嬢さん(娘)がいたくハマりまして、(椎名)林檎さんに。その前はBTSが好きだったんですけど(笑)。
聴いてみたら本当に凄くて、素晴らしい才能だなと。どうしても1回チャレンジしたいと思って今回は椎名林檎さんの歌をカバーしたいと思います」(斉藤)
自ら家族の話を用いて斉藤が選んだのは、2017年にリリースされた椎名林檎の『おとなの掟』。『カルテット』の台本を受け取った椎名が作詞作曲を担当した。同ドラマは家族でも恋人でもない4人が行う共同生活のなかでストーリーが展開し、登場人物の人生模様が描かれていく。思わず不倫騒動をイメージしてしまうような歌詞が生々しく響くなか、歌は《おとなは秘密を守る》という言葉で締めくくられた──。
何かが憑依したかのように自分の世界に入り歌う斉藤。その姿に目を奪われ息を飲む観客。80分弱のステージを終え、ファンにこう語りかけた。
「それぞれの場所に戻り散っていってさまざまなお仕事をして、いろいろな人生を歩む。そしてまた来年、ご縁があって、もしチャンスを頂けるなら、またここで時間を過ごせるよう、私も頑張りますので、みなさんも、また来てください」
不倫騒動についての言及はなかったが、斉藤が選曲したカバー曲『おとなの掟』には、表立ってカンケイを伝えられない思いが込められているのかもしれない。