1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、2024年スタートする3歳ダート三冠路線など、「ダート競馬」についてお届けする。
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今年の正月は6日の土曜日が金杯、月曜日が祝日でいきなりの3日間開催となります。ホープフルステークスの日から1週間以上も空いたので、毎週のように競馬を楽しんでいる方にとっては待ち遠しかったでしょうが、厩舎では2日に初乗りをしているので正月気分を味わう間もなく2024年がスタートした感じです。
毎年リーディング上位にいるようなベテラン厩舎なら2月の東京開催を見据えてじっくり構えることもできますが、ウチのような開業間もない厩舎は初日から全力投球します。とはいえ、そのために馬に無理強いするわけにもいかないので、なかなか難しいところ。年末年始はどうしても出走頭数が増えるし、この3日間開催では併せ馬をどうするかなど出走へ向けての調整に苦労します。
ところで、中央競馬では重賞レースの施行時期など年ごとに少しずつ変更があり、管理馬の出走に関わってくるので子細にチェックしなければなりません。春先までの番組表と睨めっこして、出走目標(予定ではありません)を立てたりしています。
特に今年は「ダート競馬」がクローズアップされる年になりそうです。今年から3歳ダート三冠路線が新しく確立され、これまで地方競馬の南関東所属馬限定で行なわれていた羽田盃と東京ダービーに、JRAやそのほかの地方所属馬も出走が可能に。これにともなって賞金も増額、東京ダービーは1着1億円になりました。6月の開催なので、これからデビューする馬でも間に合うかもしれません。
これまでJRA3歳春のダート重賞は6月のGIIIユニコーンステークスぐらいで、1着賞金も3700万円。芝のレースにくらべると、ダート馬はスピード感に乏しいなどと一段低く見られがちで、レースへの注目度もいまひとつでした。