もう一人は石川裕紀人騎手で1着2回2着7回3着5回。すでにGⅠも勝っているが、リーディングではここのところ30位台止まり。2023年の33勝は実績からすればやや物足りないが、京成杯で9番人気118倍のオメガリッチマンを2着に持ってきたように重賞では不気味な存在。アイビスサマーダッシュでも9番人気39.2倍のオールアットワンスを勝たせている。10月の未勝利戦で13番人気287倍ながら2着に持ってきたスピードパンサーは、12月28日に田中勝春騎手に引退日の勝利をプレゼントした。
次点としてでは、2022年も穴騎手として名をはせた永野猛蔵騎手が1着こそないものの2着7回3着6回で引き続きマークが必要、6月17、18日の両日の2着3回3着2回のうち4回が人気薄だ。ベテラン和田竜二騎手も2着8回3着5回と健在。そしてもちろん国分恭介騎手。年間16勝はちと寂しいが、うち10勝が二桁オッズ、単勝万馬券2回を含む4勝2着1回3着7回とあいかわらず異彩を放っている。どうしてか知らんけど。
人気薄なら人気薄なりに、過去のVTRをじっくり検討するなどしてなんとか勝機を見出そうとするのが騎手という人種。ゲートの中で勝つことをイメージしていない騎手はいない。馬券を買う側が、数字で判断して「この馬は買えない」などと言っていては、大きな馬券など取れるはずもない。
【プロフィール】
東田和美(ひがしだ・かずみ)/競馬歴45年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のエンタメ・ライター。2023年の出資・所有馬は138戦22勝、うち中央の重賞4勝。愛馬絡みの馬券を闇雲に買うことさえしなければ、馬券収支は大幅プラス。