令和皇室は困難に向き合われてきた。2020年、改元から1年と経たずにコロナ禍に突入。ようやく落ち着いた2024年、元日に震災──それでも雅子さまは前を向かれる。今年はストロングポイントである「国際親善」で世界に飛び立たれ、苦しむ国民を勇気づけてくれるだろう。
「新年一般参賀は中止です!」
メガホンで声を張る宮内庁職員。設営されたテントや臨時トイレの撤去作業が黙々と進められていく。一般参賀のために集まった人々は一様に肩を落とし、中には諦めて撤収の様子をバックに記念撮影をする人も?規制線が張り巡らされた皇居前広場(東京・千代田区)は、異様な雰囲気に包まれていた。
宮内庁は1月1日深夜、翌朝10時から予定されていた新年一般参賀の中止を発表した。
天皇皇后両陛下が、能登半島地震の被害の状況に心を痛められ、そのお気持ちを踏まえて決定に至ったという。両陛下は現地の寒さが続く中、人命の救助や消火活動などが一刻も早く進むことを願っておられるそうだ。
「4年ぶりに入場制限のない一般参賀が行われる予定でした。両陛下は、国民からの祝賀を心待ちにされていたことでしょう。
ただ、皇室には、災害発生から少なくとも72時間は、警察をはじめ、皇族方のお出ましに割かれる人員を被災地に優先させるという暗黙の了解がありますから、発生を認識された段階で中止のご覚悟を持たれていたのではないでしょうか。ご決断は早かったように思います。震度7規模の大地震ですから、混乱が落ち着いた頃に、両陛下は被災地を訪問されるでしょう」(宮内庁関係者)
令和6年は、混乱の幕開けとなった。
地震発生から遡ること6時間前、両陛下は皇居・宮殿「松の間」で、新年祝賀の儀に臨まれていた。雅子さまをはじめ、女性皇族は4年ぶりにティアラを戴かれた。
「コロナ禍で多くの国民が苦労していることに配慮したいという両陛下のご意向のもと、2021年以降、女性皇族はティアラの着用を控えられました。ティアラ着用の再開は、令和皇室を本格的に始動させる年にしたいという両陛下からのメッセージにほかならないでしょう」(皇室記者)
両陛下のご覚悟は、上皇ご夫妻にも伝わり、理解されているようだ。2023年12月、宮内庁次長の池田憲治氏が退任した。
「池田氏は平成時代、侍従を4年間務めた経験があります。つまり、上皇ご夫妻の天皇皇后時代を支えてきた中心メンバーといっていい。彼の退任は、いよいよ本格的に宮内庁が両陛下中心の時代に世代交代を果たしたことの象徴ではないでしょうか」(前出・皇室記者)
さらにこの年始には、異例の変更もあった。両陛下は毎年欠かさず元日に、上皇ご夫妻に新年のご挨拶をされていたが、今年はされなかった。
「上皇ご夫妻側が、両陛下の招待を控えられたようです。天皇皇后としての本格的な門出に配慮されたのでしょう。昨年は、“上皇后は皇后よりも目立たれようとしている”という根も葉もない言説も流れました。美智子さまは、そうした状況も気にされたのかもしれませんね」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまのご体調は上向きであられるようだ。還暦のお誕生日に際して2023年12月に公表された医師団の見解によれば《御快復の途上にあり、依然として御体調には波がおあり》だという。
「昨年の雅子さまは、国内外での公務やお出ましで、ほぼ忠実に予定をこなされました。特筆すべきは、ご決断をされてから行動されるまでのスピードが段違いに早くなられたこと。雅子さまは、これまで以上に皇后としてのご活動に積極的です。令和6年は、美智子さまの皇后時代を超える“飛翔の年”になるでしょう」(別の宮内庁関係者)