ここのところ、テレビ局から独立するアナウンサーが減っていた印象だが、そうした中で、1月18日に日本テレビの藤井貴彦アナの退社が報じられ、同日の『news every.』内で報道を認めるような発言をした。その前日には、NHK『ニュースウオッチ9』の青井実アナもスポーツ紙などで退局・フリー転身が伝えられている。男性局アナが相次いでフリーになるわけだが、はたして2人の選択は成功するのか。
「今までの例を見ると、古巣の局でそのまま帯のレギュラーを持てるフリーアナウンサーは強いですね。石井亮次アナはCBCから独立しても、変わらずに午後の情報番組『ゴゴスマ~GO GO!Smile!~』を続け、徐々に他局にも進出していった。藤井アナの先輩に当たる徳光和夫アナは『ニュースプラス1』、福留功夫アナは『ズームイン!!朝!』を局アナからフリーになっても続け、その間に他局でもレギュラーを持ち、局アナ時代の番組が終わっても盤石の体制を築いた。
古巣と良好な関係を保っての独立は他局へのアピールとなる。ケンカ別れというイメージが付かない上に、帯番組が引き続き好調となれば『数字を持っている』という評価にもなり、仕事の幅は広がっていきます」(テレビ局関係者。以下同)
藤井アナは夕方の帯番組『ニュースプラス1』『news every.』のメインキャスターを20年以上務めてきた。そこから、日本テレビの夜の帯番組『news zero』へ移ると伝えられている。
「『news zero』は同時間帯で1位の視聴率です。有働由美子アナからこの座を引き継げることは大きいですよ。ニュース番組は習慣で見られる傾向が強いので、そう簡単には他局にチャンネルを変えられない。朝は『めざましテレビ』(フジテレビ)、夕方は『news every.』、夜は『news zero』が何年間もずっと強い。藤井アナになったから『news zero』を見なくなるという視聴者が出てくるとは考えにくいです」
主な視聴者は夕方帯のニュースでは女性や高齢者になる。一方、夜帯のニュースはビジネスパーソンが増える。
「藤井アナのソフトな語り口と夕方という時間帯の相性は良かったと思います。ただ、夜になったからといって、それが受け入れられないわけではない。藤井アナはスポーツ中継も長年担当していましたし、特にサッカーへの造詣が深く、高校サッカーに関する著書も出している。夕方ではあまり出せなかった新たな一面も見られるかもしれません」