テレビ各局が冬ドラマをスタートさせる中、注目を集めるのが『Eye Love You』(TBS系)だ。二階堂ふみ(29才)主演のラブストーリーで、相手役を務めるのが韓国人俳優のチェ・ジョンヒョプ(30才)。韓国人俳優が民放ゴールデン・プライム帯の連ドラでヒロインの相手役を務めるのは初めて。その狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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23日22時からドラマ『Eye Love You』がスタートします。
同作は心の声が聞こえる“テレパス”の本宮侑里(二階堂ふみ)が主人公のファンタジック・ラブストーリーと予告されていますが、最大の注目は相手役を韓国人俳優が務めること。
これは民放ゴールデン・プライム帯の連ドラで初の試みであり、演じるチェ・ジョンヒョプさんが日本ドラマ初出演であることも含め、思い切った戦略と言っていいでしょう。
「ラブストーリーの相手役に韓国人俳優を起用」という戦略は何を意味し、どんな反響や影響が考えられるのでしょうか。
韓国人俳優起用に対する勝算と不安
韓国人俳優の起用は女性層を狙ったものであることは間違いなく、ラブストーリーであればなおのこと。若手スターのチェ・ジョンヒョプさんを起用したところに、「韓国ドラマが好きな人はもちろん、それほど見ない女性層も引きつけたい」という意図が感じられます。
ただ実際のところ、まだ韓国人俳優の人気はK-POPアーティストほど幅広い層の人々には広がっていません。Netflixなどで韓国ドラマを見ている人の割合はドラマ視聴者全体から見ればかなり少なく、有料配信サービスのため、基本的に年齢層は高め。若年層女性における韓国人俳優の浸透度や人気は、まだK-POPアーティストほどはなく、TBSとしても「未知の戦いに挑む」「実験的な作品」というニュアンスがあります。
しかし、「若年層女性は韓国人俳優のなじみが薄い」ことは決してネガティブとは言えず、むしろTBSにしてみれば「勝算あり」なのかもしれません。実際、「なじみが薄い」という未知の人が多い分、先入観なく好イメージを持たせやすく、顔と名前を知る日本人俳優にはないフレッシュさを感じさせることも可能でしょう。
だからこそ重要なのはジョンヒョプさんが演じる役柄。彼が演じるユン・テオは、「日本の大学で絶滅危惧動物の研究をする韓国人留学生で、宅配デリバリーのアルバイトをしている際にヒロインの侑里と出会う」という設定が予告されています。
さらにジョンヒョプさんの好感度を高めそうなのは、「他人の心が読めてしまうため自分の本音をさらけ出せず、恋愛にも臆病になっていた侑里の閉ざされた心を、太陽のように明るくストレートなテオが溶かしていく」というストーリー展開。
予告映像にも侑里に向けて、「そこのキョロキョロしてるかわいい人!」「会えてうれしいです」「ご飯食べましょう」「僕のことは好きですか?」などと話しかけるシーンがあり、制作サイドが韓国人らしいストレートな愛情表現で女性層を引きつけようとしている様子がうかがえます。
K-POPアーティストに続けるのか
また、演じる役柄が受け入れられれば、ジョンヒョプさん自身が持つ魅力にもスポットが当てられるでしょう。彼の主な持ち味は、186cmの長身と「クリーミースマイル」と言われる愛くるしい笑顔。その点、二階堂さんとの身長差30cmのギャップや、不慣れな現場で笑顔を絶やさず懸命に日本語を学ぼうとする姿などが好意的に受け止められる可能性は十分ありえそうです。