水族館が交流の場所だった
沼津市には同作品に登場する“聖地”が数多く存在する。そのなかでも愛されたのが『あわしまマリンパーク』だった。
スタッフの動物愛が魅力の施設で、館内のあちこちにはスタッフ手作りの解説パネルがあって、マニアにとっては当然のこと、一般人が見てもわかりやすい平易な言葉遣いで説明している。アシカショーは観客の目の前で行なわれ、観客参加型の「フンボルトペンギンの餌やり」ではペンギン間での熾烈な餌の奪い合いが行なわれる。
動物だけでなく『ラブライブ』への愛もひとしおだった。30代男性ファンはこう語る。
「淡島へ渡る船をキャラクターでラッピングしたり、レストランではキャラクターをイメージした食事を提供するなど手が込んでいました。また、ファン向けの交流の機会を設けていて、館内で『Aqours』の紅白出演を大勢のファンで見るというイベントも開いてくれました。普通、9年も経てば施設側の熱も落ち着くと思うのですが、いまでもキャラの誕生日を盛大にお祝いしていて、そのたびに訪れたファンの交流が生まれていました。最近はコロナも落ち着いて海外からのファンも多く訪れていただけに、こうした場がなくなるのは残念です」