NHK連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロイン・スズ子(趣里、33)の付き人、小夜を演じる富田望生(23)が1月16日、同局『あさイチ』に登場すると、その“素顔”に驚く声が続出した。
物語は常にそばに寄り添っていた小夜がスズ子のもとを離れるという局面だが、そんな小夜を演じる富田の楚々とした受け答えに「小夜ちゃんとは別人みたい」「素の時可愛いのでびっくりした」と衝撃が走ったのだ。テレビ評論家の吉田潮氏が語る。
「『ブギウギ』に小夜ちゃんが登場した当初は、ちょっと失礼で疑り深いキャラクターに眉をひそめた視聴者も多かったはずです。ところが、彼女のセリフの端々から奉公先でひどい目に遭ったり、男に騙されたりと若いのに苦労してきた人生が垣間見えてくる。
そんな小夜ちゃんが『付き人をやめる』と言い出し、スズ子のもとを離れてアメリカ兵のサムとねんごろになっていた。すでに“小夜ちゃんロス”が起き始めていて、視聴者は寂しいけれど、幸せになってほしいとも願っている。大勢の個性的なキャストが登場する朝ドラで、小夜ちゃんがこれほどの強い印象を残せたというのは演じる役者としても“勝ち”でしょう」
小夜を演じる富田は、2015年に『ソロモンの偽証』で映画デビュー。役作りのため約2か月で15kg増量して挑んだという逸話がある。映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017年)や『SUNNY強い気持ち・強い愛』(2018年)などに出演し、2019年の菅田将暉主演のドラマ『3年A組─今から皆さんは、人質です─』(日本テレビ系)で一気に知名度を上げた。吉田氏が続ける。
「私の大好きな女優の1人で、この5~6年でめきめきと頭角を現わしてきました。ヒロインの友人役などを演じることが多いバイプレーヤーですが、メインで映っていないシーンでも画面の端っこで唇をとがらせたり、鼻を膨らませたりしてしっかりリアルな演技をしている。アイドルがぽっとドラマに出て変顔をしたりするのとは次元が違います。学園モノで若い役者が大勢集まるシーンでも、1人だけ本物がいる、という感じなんです」
これまでの出演作でぽっちゃりした役のイメージが強い富田だが、素の姿は別人のようにギャップがあることでも度々話題になってきた。
「彼女は駆け出しの頃から役作りのために体重を大幅に増やしたり減らしたりしてきた“女版・鈴木亮平”のような存在で、まったく別の体型で出演している作品もあります。
美人で売っている女優ではないけれど、素顔は肌がすごく綺麗で可愛らしい。『ブギウギ』の小夜ちゃんは元気でコミカルな役柄ですが、富田望生は悔し涙を流すようなシリアスな演技も素晴らしいので、そうした作品も今後は注目です」(吉田氏)
※週刊ポスト2024年2月2日号