総統選の結果や、能登半島地震への迅速な寄付金など、台湾についての報道が近頃続く。昭和の頃より日本人はテレビを通じて、かの地の魅力に触れてきた。中国ルポライターの安田峰俊氏はこう語る。
「台湾出身の女性は、1990年代頃まではアイドル色を打ち出して日本進出するのが定番の路線でした。歌姫のテレサ・テンはドリフとコントをし、ビビアン・スーもバラエティ番組でブレイクしました」
時代とともにタレントに求められる価値観も変化してきた。
「2000年代に入ると成熟した女性が求められ、社会的発信も活発だったインリンが人気に。リン・チーリンやツウィは美の代表格として憧れを集めた。ツウィは韓流ブームの影響も大きいでしょう。WBCを通じたスポーツの国際化で見出されたのがチアのリン・シャン。愛される美女には、時代の社会的風潮が色濃く出ています」
それぞれの時代を彩った、代表的な台湾の女性たちを紹介しよう。
●テレサ・テン
時を超えて愛される「アジアの歌姫」。『愛人』『つぐない』『時の流れに身をまかせ』が大ヒット。紅白歌合戦に出場し、東西の有線大賞を3連覇。
●ビビアン・スー
昨年末、25年ぶりに音楽ユニット「ブラックビスケッツ」として紅白歌合戦に登場し、ヒット曲『Timing』を披露。変わらぬ美貌と明るいキャラクターで年末の話題をさらった。
●ジュディ・オング
歌手、女優、画家とマルチに活躍する才媛。日本レコード大賞を受賞した『魅せられて』は200万枚を売り上げた。写真は、舞台『一弦の琴』で共演した司葉子(中)、安奈淳(右)との一枚。