ライフ

あなたの株を上げる「間違いの認め方」 政治家の振り見て我が振り直そう

時事通信フォト

幕引きを図ろうとする首相(時事通信フォト)

 人品骨柄は窮地にこそ表れるといわれる。コラムニストの石原壮一郎氏が考察する。

 * * *
 今日も政治の世界では、間違いを認めずに姑息な言い訳を繰り返す政治家たちの姿が見受けられます。政治家だけではありません。あなたの周囲にも「間違いを認めたら死ぬ病」にかかっている人がいるのではないでしょうか。

 いわゆる「正義の活動」をなさっている方々も、その傾向が強くあります。悪者のレッテルを貼られた人を「許せない!」と糾弾して、あとからその人は何も悪くなかったとわかっても、あれこれ屁理屈をつけて自分たちの間違いを認めようとはしません。まして、迷惑をかけた相手に謝るなんて発想はカケラもなさそうです。

 客観的に見ると、間違いを認めないことで得られるメリットは何もありません。ひじょうにみっともないし、辻褄を合わせようとして事態が悪化する可能性も大。プライドや立場を守ったつもりかもしれませんが、守るどころか周囲からは「チンケなプライドしかないヤツ」「信用しないほうがいいヤツ」というレッテルを貼られるでしょう。

 それは重々わかっていても(わかっていない人もいますが)人は、いざ自分が間違いを指摘されると、言い訳したり逆ギレしたりといった愚かな反応をしてしまいがち。とくに部下や後輩に指摘されると危険です。女性から指摘されると過敏に反応するトホホな体質のおじさんも少なくありません。

 逆に、そういう場面で素直に間違いを認めることができたら、「この人は、たいしたもんだ」と思ってもらえて一気に株が上がります。間違えるのは人の常。いつ誰に間違いを指摘されてもいいように、日頃から心の準備をしておきましょう。

 ビジネスシーンでも日常生活でもありがちなのは、言葉の間違いです。プロジェクトのメンバーが集まったミーティングの場で「先方の反応がよくても、浮足立つんじゃないぞ」と言ったら、部下が「あの、言いづらいんですが、『浮足立つ』は不安や恐れで落ち着きを失っているときに使う言葉です」と指摘してきました。

 自分では「嬉しいときに使う言葉」だと思い込んでいましたが、わざわざ指摘してくるぐらいなので、それなりに自信や根拠があるのでしょう。内心は「うるせえよ」とカチンと来るし、反発を覚えて「知識はあるのかもしれないけど、この状況で上司に指摘するのは人としてどうなんだ」と言いたくなるかもしれません。しかし、ここは踏ん張りどころ。

「えっ、そうなの! 言ってくれてありがとう。勉強になったよ」

 こんなふうに素直に間違いを認めれば、そこにいるメンバーからの好感度や信頼は一気にアップするでしょう。「俺、いろいろ間違いそうだから、また気が付いたら言ってよ」と付け加えれば、さらに完璧です。

 日頃からこうした事態を想定していないと、反射的に「意味が伝わればいいんだ!」と開き直ったりしてしまいがち。念入りにイメトレを重ねましょう。まさかと思いますが、「へいへい、そうでございますか。頭のいい人にはかないませんねー」とイヤミっぽく返すのは最悪。その場にいる全員に見切りを付けられます。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン