カミンカス操受刑者が積水ハウスを騙した旅館跡の土地。2018年(時事通信フォト)

カミンカス操受刑者が積水ハウスを騙した旅館跡の土地。2018年(時事通信フォト)

地面師事件からルフィ事件へ

 当時、この店には、アヤの他にもカミンスカスが指名する女の子が何人かいたらしい。「小山は気に入った女の子にネックレスを買ってやっていた。それもみんな同じネックレス。確かクロムハーツだったと思う。自分たちもそれがわかると、なんだ”師匠のこれ”かと、その気がなくなった」(幹部)。カミンスカスは当時、そのやり口の大胆さと金遣いなどから幹部らの間では師匠と呼ばれ、。中にはカミンスカスから金を借りていた者もいたらしい。、だが幹部たちは、同じネックレスをつけていた女の子たちをカミンスカスの相手として”小山ガールズ”と呼んでいた。「小山ガールズは7~8人。アヤもその中の1人だ」。

「カミンスカスが派手に金を使うから、女の子たちはみんなカミンスカスのテーブルにつきたくて、すぐに向こうに行ってしまう。このフィリピンパブだけでも、小山は億近い金を使っていたんじゃないか」と幹部は話す。それ以外にもアヤにはブランド物をいくつも買い与え、小遣いも渡していたという。カミンスカスによってNo.1ホステスになったモラレス容疑者だが、実はこの店のオーナーの息子と結婚していた。

「当時、アヤはビザ目的で偽装結婚をして、こっちで働いていた。外国人パブではよくあることだ」と幹部はいう。カミンスカスを始め彼らにとって、外国人パブで働く女性の偽装結婚は、自分が入れあげ金をつぎ込む際の支障にはならなかった。Gでは2018年、フィリピン人女性らに在留資格を得る目的で偽装結婚させたとしてした、店の関係者ら男女26人が逮捕されている。だがモラレス容疑者の結婚相手は、少なからず違う事件にも関係があったようだ。

「その男の父親というのが、ルフィ事件の逮捕者の1人だ」と幹部は話す。実際、モラレス容疑者の夫となった男性の父、Gのオーナーは後に不起訴処分になったが、ルフィらによる強盗事件に関与したとして警視庁に逮捕されている。

「Gを辞めた経緯ははっきりわからないが、噂では妊娠したからじゃないのか」(幹部)。しばらくしてカミンスカスはアヤから他の女の子に乗り換えている。モラレス容疑者はGが摘発された頃に出産し離婚。その後、東京・上野のフィリピンパブで働き始めている。上野のフリピンパブでアヤと一緒に働いていたという女の子によれば、その時のアヤは「前とはずいぶん印象が変わっていたらしい、。おとなしくてニコニコしているような子だったが、お金に困っていたのか金の愚痴が多くなっていたと聞いた」と幹部は話す。カミンスカスとの付き合いで贅沢を覚え、狂ってしまった金銭感覚が元には戻らなかったのかもしれない。

「カミンスカスにルフィと事件に絡んで、最後には自分が事件を起こしてしまうとは。これも巡りあわせってやつなのか」と幹部はため息をついた。

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