自民党の派閥パーティー裏金問題を受け、通常国会は異例の幕開けとなった。岸田文雄首相の施政方針演説に先立ち、1月29日は衆参予算委員会で「政治とカネ」をめぐる集中審議が行なわれている。国民の厳しい批判に対し、派閥解消などの“目くらまし”で逃げ切ろうとする岸田首相だが、国会では自身の疑惑を追及されてタジタジとなった。本誌・週刊ポストがスクープした「違法パーティー」疑惑の追及である。
「政治資金規正法の穴をふさぐことを今やろうとしているけども、(岸田首相は)穴を自ら作っているじゃないか」
立憲民主党の大西健介氏が国会質問で取り上げたのは、本誌が2024年1月22日発売号で報じた「衆議院議員 岸田文雄先生 内閣総理大臣就任を祝う会」(以下、「祝う会」パーティー)をめぐる問題だ。「祝う会」は2022年6月に岸田首相の地元・広島で開催された。広島の政財界の有力者が発起人に名を連ね、会場には約1100人が集まったと当時、報じられている。
「祝う会」で飲食の提供はなく、お土産は岸田首相の著書と色紙のみ。これで会費1万円だから当然、収益が出る。岸田首相が代表を務める自民党広島県第一選挙区支部の政治資金収支報告書(2022年分)を見ると、同年9月に「祝う会」の団体名義で約322万円の寄附がなされていた。パーティーの収益は岸田首相の政治資金になっているわけだが、「祝う会」なる任意団体が主催した形にしていることで、収支が全くチェックできないようになっているのだ。