6年前に旧事務所が立ち上げた“プロジェクト”
実際にこの炊き出しでラーメンを食べた70代女性は、目に涙を浮かべながらこう話す。
「ラーメンを受け取りに行くと、テレビでもよく見たことがある城島さんが対応してくれました。その場を離れる前に『頑張って!でも、無理しちゃだめだよ』と声をかけてくださいました」
東山に次ぐ年長者の城島は、率先して避難者を励ます様子が印象的だった。小学生に「避難所ではテレビ観られるの?」と問いかけると、「テレビは大人が相撲を見てるから(スマホなどで)ゲームやってる」と返され、苦笑いする一幕もあった。
炊き出しは2時間ほど行われ、メンバーたちは避難所の住民たちに笑顔で見送られて避難所をあとにした。
SMILE社(旧ジャニーズ事務所)の被災地支援の歴史は古く、1995年に発生した阪神・淡路大震災を受けて当時、関西出身のメンバーが所属した「TOKIO」「V6」「KinKi Kids」の3組が期間限定で「J-FRIENDS」を結成し、震災チャリティ活動を行なったのが始まりとされる。
その後も2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など、大きな災害が起きるたびにその知名度を活かした支援を行い、東日本大震災の際には1年間で8億円以上の募金を集めた。これらの流れを受けて、発足したのが「Smile Up!Project」だ。同プロジェクトは同社が2018年7月24日に立ち上げたもので、あらゆる災害に対して幅広い社会貢献・支援活動を行うことを目的としている。その後も自然災害が起きるたびに、同社所属タレントらが現地で炊き出しを行うなど、日本各地で活動を続けてきた。
30年近く受け継がれてきた伝統によって、今回も被災地にも笑顔がもたらされた。