ビジネス

普通の人が偽造品製造販売に手を染める時代 フリマサイトで無許可グッズ販売の手口

警視庁が押収した偽造ブランド品(写真下左)。偽造品をつくるのは特殊な人だと思われてきたが、最近は普通の人が製造販売している(イメージ、時事通信フォト)

警視庁が押収した偽造ブランド品(写真下左)。偽造品をつくるのは特殊な人だと思われてきたが、最近は普通の人が製造販売している(イメージ、時事通信フォト)

 フリマサイトやアプリで、違法な偽造品をせっせと作って売る人たちがじわじわと増えている。彼らは偽造品の専売業者ではなく、仕事をしたり友だちと遊んだりする日常を普通に送る人たちだ。普通の人たちのはずなのだが、罪悪感を誤魔化すためなのか、自分勝手な正当化の理屈をたてに異常な金儲けをやめようとしない。ライターの宮添優氏が、大谷翔平偽グッズなど偽造品を扱う“副業”を身近な人が始めたことで長年の人間関係が壊れてしまった人たちの苦悩を聞いた。

 * * *
 プロスポーツ史上最高額の「10年7億ドル(約1015億円)」で米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースへの移籍を果たした大谷翔平選手。日本中の小学校にグローブを寄贈するなど、そのスケールは何もかもが規格外で、野球人口の少ないヨーロッパ諸国でも「野球はよくわからないがオオタニは知っている」という人が存在するほどだ。もはや、その知名度や人気は他を圧倒するものがあるが、そんな状況に便乗する不届きものも相次いでいる。全国紙社会部記者が解説する。

「大谷選手や、かつて所属していたエンゼルスの球団ロゴを偽造したTシャツなどを販売目的で所持していたとして、神奈川県警が静岡県在住の男を逮捕しました。Tシャツは数千円程度と高くは無かったものの、2023年までの3年間での売り上げは約660万円にのぼっている。相当な数を販売しており悪質、とうことで検挙に至ったようです」(全国紙社会部記者)

 偽造ユニフォームはネットオークションサイトやフリマサイトを通じて全国の客に販売されていたというが、こうした不届き者は逮捕された男だけではない。

「副業」で羽振りがよくなった友人

 都内在住の公務員・古橋祐子さん(仮名・40代)が、あまりに身近にいたことに驚いたと打ち明ける。

「仲のよかった友人が最近、持ち物がブランド品ばかりになったり、食事に行っても全額を出してくれるようになったり、かなり羽振りがよくなったんです。聞けば”副業”をしているのだと。友達だから私だけに、と教えてくれたのは、大谷選手のグッズ販売だったんです」(古橋さん)

 友人が見せてくれたのは、大谷選手のユニフォームを模したキーホルダー。友人はスポーツとは無縁で、まして、野球など全く興味が無かったはず。さらに突っ込んで話を聞くと、驚愕の事実が判明した。

「友人は、大谷選手のユニフォームの柄や背番号をパソコンとプリンターを使って紙に印刷し、それをプラスチックの型に入れてキーホルダーにして販売していました。もちろん、大谷選手や所属球団の許諾など得ていない。勝手にそんなの作っていいの? と聞くと”みんなやってるから”と苦笑いはするものの、悪びれる様子はありません。普通に犯罪ではないかと思い指摘しましたが、フリマサイトなんてそんなものだし、暗黙の了解なのだと繰り返すばかり」(古橋さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン