迷惑行為によるSNSの炎上事件は、なぜ何度も繰り返されるのか。2000年半ばからネットニュースの運営に携わり、ネットの炎上事件を長年ウォッチしてきたネットニュース編集者は、今回の山岡家の事件について、「再生回数狙いの金目当てではないだろう」と推測する。
「ネットの歴史をたどると、コンビニの冷蔵庫に入ったり、飲食店の食材で遊んだり、おでんをツンツンとつついたりと、炎上のパターンは様々ですが、共通するのはとても短絡的だということ。騒動の主の反省コメントも、『こんなに騒ぎになると思わなかった』『友達に自慢したかった』といった幼稚なものばかりで、そこに計算は感じられません。決して言い訳にはなりませんが、今回の事件も“その場のノリ”で“面白そうだからやった”というのが真実に近いのはないでしょうか。
ネットでは、昨年のスシローの事件を引き合いに出す声が非常に多いですが、今回、騒ぎを起こした男や撮影した少年はスシロー事件のことなど知らないかもしれません。常に『なぜ同じことを繰り返すのか』というコメントが寄せられてきたのがネットの炎上の歴史です。炎上事件を起こすような人は、過去の炎上事件など興味がないのでしょう。
コロナ禍ではいわゆる“バカッター事件”がめっきり減り、若者もいい加減にネットリテラシーを身に付けたのかと思いましたが、どうやらコロナ禍で外食する機会が減っただけだったようですね。投稿する道具(スマホ)と投稿する場所(SNS)がある限り、迷惑動画による炎上事件は永遠になくならないでしょう」
外川容疑者は今回の件で、通っていた釧路市内の専門学校を退学処分となっている。北海道のUHBニュースの報道によると学校側の聞き取りに「その場のノリだった」と話しているという。山岡家は今回の件について地元警察署に被害届を出し「厳正に対処する」とコメント、外川容疑者の逮捕に至った。「ノリ」の代償はあまりに大きい--。