国際情報

トランプ氏が警戒する「テイラー・スウィフト効果」とは? 来日公演の経済効果は341億円、全米ツアーでは1.5兆円!

第58回スーパーボウルでカンザスシティ・チーフスが勝利を収めたあと恋人トラビス・ケルシー(右)を祝ったテイラー・スウィフト(EPA=時

第58回スーパーボウルでカンザスシティ・チーフスが勝利を収めたあと恋人トラビス・ケルシー(右)を祝ったテイラー・スウィフト(EPA=時

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップする連載。心理士の視点から、5年ぶりの来日公演が大きな注目を集めたテイラー・スウィフトとその政治・経済に及ぼす効果について。

 * * *
 2月に入ってから”もしトラ”というフレーズを度々耳にする。何かと思えば”もしもトランプ氏が再選すれば”の略だという。2024年11月に行われるアメリカ大統領選、共和党候補指名争いはトランプ氏が独走態勢になり、元ライバルたちは次々とトランプ支持を表明。もしトラが現実味を帯びつつあるが、トランプ氏がその動向をかなり気にしているのが、世界的な歌手であるテイラー・スウィフトさんだ。

 2020年の大統領選で、バイデン大統領支持を表明されたのがかなりの痛手になったのだろう。2月11日には自身のSNSでスウィフトさんを名指し、再選を目指すバイデン大統領を彼女が「支持するはずがない」と投稿。トランプ氏が大統領在任中に音楽業界の著作権の規定を改めた法律を成立させたことに触れ、「彼女に大金を稼がせた男に不誠実になれるわけがない」とけん制した。トランプ氏が恐れているのはメディアがそう呼ぶ”テイラー・スウィフト効果”だ。

 インスタグラムのフォロワーは2億8千万人、昨年9月に自身のSNSで有権者登録(※米国ではあらかじめ選挙管理委員会に申請しないと投票できない)を呼びかけると、新規の登録者が3万5千人もあったというスウィフトさん。米誌ニューズウィークなどが1月に行った世論調査では、回答者の18%が「大統領選でスウィフトさんが支持する候補に投票する」と答えているだけに、彼女のコメントは影響力大だ。トランプ氏としては今度の大統領選に水を差されたくないだろう。

 実はこの効果、元はスウィフトさんによる経済効果のこと指していた。5年ぶりに来日した彼女は2月7日から10日までの4日間、東京ドームで公演を開催。ファンらにとって待ちに待った公演の経済効果は341億円、8か月60公演を行った全米ツアーでの経済効果はなんと1.5兆円と試算され、米国内総生産(GDP)まで押し上げたという。これだけの経済効果を生み出す経済現象は”スウィフトミクス”といわれ、米ハーバード大学で彼女に関する講義ができるなど研究対象にもなり始めている。スウィフトミクスの現象がそれだけ多岐に渡るからだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン