芸能

ライオンを麻酔で寝かせてトラ柄に…テリー伊藤が振り返る「メチャクチャだった」バブル時代のテレビ制作現場

テリー伊藤(時事通信フォト)

演出家のテリー伊藤氏(時事通信フォト)

「令和バブル」とも呼ばれるほどの株価上昇が続く昨今。日経平均株価は“4万円台も見えてきた”と言われるが、「バブル時代の狂乱ぶりにはまだまだ及ばない」と話すのは演出家のテリー伊藤氏だ。とりわけ温度差を感じるのがテレビの世界だという。予算は桁外れ、いまのようなコンプライアンスへの厳しい声も少ない時代。それゆえに現在では考えられないような企画が連発された「バブル期の番組制作現場」をテリー氏が振り返った。

 * * *

 なんといっても、あの時代はカネがあったからね。テレビ業界も華やかで。海外ロケでニューヨークからロンドンに移動する際、スタッフ全員で超音速飛行機のコンコルド(片道 約100万円。現在は廃止)に乗ってましたから。機内がVIPルームみたいでした。バカバカしい派手さがあったんだよね。200万~300万円の制作費で深夜番組を2本撮りするような、いまのテレビ制作現場とは世界が違いますよ。僕が総合演出をやった『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(1985~1996年、日本テレビ系)だって、スポンサーがカネ持ってたもん。

 企画も無茶ができましたね。「元気が出るテレビ」は素人さんもバンバン参加させました。たけし軍団以外の芸人は頼れないから、一般人を巻き込んでいかないと長続きしないんですよ。そこから物怖じしない面白い素人さんが増えていったんです。彼らの力を引き出したのが高田純次さんや兵藤ゆきさん。インタビュー能力が高くてね。台本はきめ細かく作っていましたけど、台本以上に持ち味を引き出してくれたのが高田さんとゆき姉です。

 制作現場のネタ出しは戦場で、「もっと面白いことを」「もっともっと面白いことを」って、熱量が全然違った。コンプラの概念が全然なかったから、いまじゃ考えられないようなメチャクチャな企画がまかり通ってました。ホームレスの方を登場させて人権団体から怒られたり、たこ八郎に東大生の血を輸血させたり。医師の団体からクレーム入りましたよ。メスライオンを麻酔薬で寝かせてトラ柄にしたこともあった。よくサファリパークがやらせてくれたよね。あと、熱川バナナワニ園ではワニにワニ皮のベルトを締めさせたっけ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト