国内

持続化給付金の不正受給者リストに名前が載った若者たちの後悔の日々

持続化給付金を告知する経済産業省のポスター

持続化給付金を告知する経済産業省のポスター

 インターネットに公開された情報は、一度、SNSなどで拡散されるとなかなか消すことが出来ずデジタルタトゥーとなることが社会問題となりつつある。そんななか、官庁が公表する不正受給者リストが半ばデジタルタトゥー化しており、公表された個人の人生が大きく変えられてしまった例もある。ライターの宮添優氏が、軽い気持ちで持続化給付金の詐取を実行したことによって、いまもコロナ禍の重苦しい生活が続いている人たちの後悔と苦悩についてレポートする。

 * * *
 街行く人の多くが今もまだマスク姿ながら、ほとんどの国民が「コロナ禍」は終わったもの、もしくは終わりかけているものと感じているだろう。行けなかった旅行や友人知人との外食など、コロナ禍で我慢したことを一気に楽しもう、そう考えている人も少なくないはずだ。

 一方、コロナ禍で負った”ダメージ”の清算に追われる人たちは、何を考えて過ごしているのだろうか。

「正直、あれで人生を棒に振ったという感じです。本当に馬鹿だったし、3年前の自分を殴りたい。今はどうすることもできませんが」

 視線を落とし、寂しげにこう話すのは中部地方在住のフリーター・籠島諒平さん(仮名・23歳)。実は籠島さん、経済産業省が逐次発表している、コロナ禍における持続化給付金などの「不正受給者」のリストに名前が載り、世の中に広く公表されてしまった1人。きっかけは当時、専門学校生だった籠島さんが、地元の先輩である飲食店経営者に「名義だけ貸して」と言われたことだった。

「その時は単なる学生だったんですが、個人事業主とかフリーのライターってことにすれば100万円がもらえると聞いたんです。最初は悪いことではないのか、と頭をよぎりましたが、コロナで緊急事態だしみんなも生活が苦しいから同じようなことをやっているとか、国も見逃してくれるとも先輩は言っていて、それならと思いお願いしたんです」(籠島さん)

就職を諦め、学校もそのまま辞めました

 コロナ禍により、前年同月比で売り上げが50%以上落ちた中小企業や個人事業主を救済するべく設けられたのが、この持続化給付金制度だ。他にも、家賃支援給付金や事業復活支援金など、様々な支援策が講じられた一方で、不正受給が次々発覚し、受給額の多い法人の代表者などの逮捕も相次いだ。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン