2019年の放送開始以来、人気が続いているアニメ『鬼滅の刃』(フジテレビ系)。17日に特番が放送されるが、そこには「必勝パターン」とも言える“ヒットの法則”があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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17日夜にゴールデン・プライム特番「土曜プレミアム」枠で『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭潜入編』(フジテレビ系)、さらに翌週の24日にも『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭決戦編』が2週連続で放送されます。
これは視聴者が多い休日の夜にふさわしい大型編成ですが、2月2日に上映がスタートしたワールドツアー『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』を受けた放送であり、春から放送予定のテレビ新シリーズ『「鬼滅の刃」柱稽古編』につなげていくものとも言えるでしょう。
このようなワールドツアー上映→ゴールデン・プライム特番(特別編集版)→新シリーズ放送の流れは昨年に続く2回目。世間の関心を集め、高視聴率を獲得する必勝パターンになりつつあります。この必勝パターンはどんな未来を意味しているのでしょうか。
全国ネットの初放送は2020年10月
まずあらためてアニメ『鬼滅の刃』の放送を振り返っていきましょう。
第1期の『「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』(第1~26話)は、2019年4~9月にTOKYO MXなどのネットワークに属さない放送独立局と各地のローカル局を中心に放送。また、ABEMA、Amazonプライム・ビデオ、FOD、Huluなどでも配信されたものの、幅広い世代の認知度は高くありませんでした。
フジテレビで初めて放送されたのは2020年10月。10月16日の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開に絡めて、今回と同じ「土曜プレミアム」で10月10日と17日に『「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編」の約半分が放送されました(10日が第1~5話の『兄妹の絆』、17日が第15~21話の『那田蜘蛛山編』)。
第1期の残りは、関東ローカルで10月12日~17日に第6~14話、24日に第22~26話を放送。さらに2か月後の12月20日、今度は全国ネットの18時59分~21時14分に再び第22~26話を『柱合会議・蝶屋敷編』として放送しました。これは10月の「土曜プレミアム」2週連続放送を見た全国各地の人々から「続きを見たい」というリクエストを受けた編成。加えて「公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒットを受けて視聴率を獲りに行こう」という戦略でもありました。
2021年にはその『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が9月25日に「土曜プレミアム」でテレビ初放送されることを受けて、第1期の特別編集版を9月の土日祝日に集中放送。9月11日に「兄妹の絆」、12日に「浅草編」、18日に「鼓屋敷編」、19日に「那田蜘蛛山編」、23日に「柱合会議・蝶屋敷編」をそれぞれ19時からのゴールデンタイムで放送しました。
続く10~11月には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』をテレビシリーズとして再構成した第2期の『「鬼滅の刃」無限列車編』(第1~7話)を放送。続く12月~2022年2月には第3期の『「鬼滅の刃」遊郭編』(第1~11話)が放送されました。
さらに2023年2月3日から『遊郭編』の第10~11話と『刀鍛冶の里編』の第1話を世界各国で上映するワールドツアー『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛治の里へ』を開催。4月に入ると「土曜プレミアム」で1日に特別編集版の『「鬼滅の刃」遊郭潜入編』、8日に『「鬼滅の刃」遊郭決戦編』を放送し、続けて4~6月に第4期の『「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』(第1~11話)が放送されました。
今年も2月2日に『刀鍛冶の里編』の第11話と『柱稽古編』の第1話を世界各国で上映するワールドツアー『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』がスタート。そして2024年2月17日・24日に「土曜プレミアム」で特別編集版の『遊郭潜入編』『遊郭決戦編』が放送され、春から『「鬼滅の刃」柱稽古編』が予定されています。