ライフ

『変形性膝関節症』治療の今 手術は大きく分けて「骨切り術」「部分置換術」「全置換術」、人工関節の耐久年数は大幅に長期化

(写真/PIXTA)

「膝」と「股関節」の治療、かかる医師はどのように選んだらよいのだろうか(写真/PIXTA)

 多くの女性を悩ませる「膝痛」「股関節痛」。しかし「痛みがある」と一口に言っても、どの程度つらいのか、生活するうえで何がネックなのか、悩みや症状は人によってまったく違う。あなたに合った治療を受けるためには、どのようなポイントに注意すれば良いのか? ジャーナリスト・鳥集徹氏と『女性セブン』取材班が、前編では膝痛、後編では股関節痛についてレポートします。【前後編の前編】

 * * *
 100才まで生きることが夢物語ではなくなりつつある。“超長寿社会”において健やかに生きるために必須なのは、「ぎりぎりまで自分の足で歩くこと」だ。しかし、その要となる「膝」と「股関節」は女性にとって大きなウイークポイントでもある。

 実際、膝の痛みの原因となる「変形性膝関節症」は男性の4倍、股関節の痛みの原因となる「変形性股関節症」も3倍の割合で女性患者が多いとされている。読者の中にも整形外科に通い、投薬などで痛みを取る治療を受けている人や、人工関節の手術を検討している人がいるだろう。

 とはいえ、医師の経験や腕によっては、投薬を続けても一向に症状が緩和されなかったり、手術を受けても満足のいく結果にならなかったりする可能性もある。生涯、支障なく歩ける能力を維持するためには痛みの予防を心がけるとともに、あらかじめどんな医師にかかり、どのような治療を受けるべきかを知っておくことが大切だ。

 そこで、本誌『女性セブン』では膝及び股関節の名医に取材して、それぞれの痛みへの適切な対処法について解説してもらうとともに、信頼できる専門医を推薦してもらった。“生涯現役”を体現するための参考としてほしい。

膝に負担をかけない「ながら運動」

 中高年の膝痛の主な原因である「変形性膝関節症」は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が接する部分にある軟骨が加齢とともにすり減り、骨が変形することで起こる。痛みに加え、脚の内側の骨が潰れることでO脚になってしまう人も多い。膝の治療を専門とする整形外科医、あんしん病院院長の水野清典医師が解説する。

「なぜ女性の方が変形性膝関節症になる人が多いのかを含め、疾患と患者さんの属性の相関関係については明らかになっていない部分も少なくありません。しかし1つ確実なのは、肥満は膝痛のリスクを上げるということです。そのため、当院では肥満傾向のある人には食事や運動など生活習慣を見直してもらい、体重を落とすよう指導しています。5kg減らしただけで、膝の痛みが緩和される人はたくさんいます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン