ドジャーブルーのユニフォームに袖を通した大谷翔平(29)が2月19日、昨年9月の右肘手術後、初めてライブBP(実戦形式の打撃練習)に登場し、その驚異の“回復力”が周囲を驚かせている。16球のうちバットを4回振り、4スイング目にセンターオーバーの本塁打を放った。メジャー事情に詳しいスポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。
「昨年9月の右肘手術はトミー・ジョン手術ではなく、自分の腱を移植し、さらに人工靱帯で補強するインターナルブレースという術式を組み合わせたハイブリッド手術を行なったようです。
インターナルブレースは前例があまりない手術のため復帰時期が明確でなかったが、一昨年11月20日にこの手術を受けたフィリーズのハーパーは昨年5月2日に復帰できている。トミー・ジョンに比べて回復が早いうえに、回復力も大谷の方がハーパーよりも早そう。当初は最短で5月以降の復帰とみられていたが、オープン戦も半数近く出場できる見込みです」
ドジャースの今季の開幕戦は3月20~21日、韓国・ソウルで行なわれる。ライブBP後、フリードマン編成本部長は「開幕シリーズは楽観的に捉えている」とコメントし、大谷の代理人であるネズ・バレロ氏も「間に合うと感じている。良い方向に向かっている」と前向きだ。しかし、出場にはこんな不安要素もあるという。
「ソウルの3月中旬の平均気温は8℃前後でまだまだ寒い。韓国初のドーム球場ではありますが、リハビリ中の大谷が出場できるのかという声もある。
韓国には反日感情を持つ人もいるとはいえ、大谷の人気は総じて高く、ドジャースのキャンプ情報は毎日のように報道されています。韓国メディアが過熱取材をするということで、キャンプ地での取材規制もあったほど。今回の韓国シリーズはMLBのアジア戦略の一環ですが、大谷が出場しないとなれば効果は半減してしまう。韓国国内でもチケットは争奪戦となっており、出場しないとなれば騒動になるでしょうね」(在韓ジャーナリスト)