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新大関・琴ノ若の躍進で注目 3月場所の幕内上位に「埼玉栄高校出身」が多すぎる問題

母校では花束の贈呈も(新大関・琴ノ若/時事通信フォト)

母校では花束の贈呈も(新大関・琴ノ若/時事通信フォト)

 3月10日に初日を迎える大相撲春場所。最大の注目は新大関の琴ノ若だ。2022年3月場所で昇進した御嶽海以来の日本出身大関の誕生であり、元横綱・琴櫻の孫ということもあって、角界関係者の間では早くも「横綱昇進」への期待が高まっている。

 初場所後は大忙しとなった。バラエティー番組からの出演オファーもあったといい、NHK福祉大相撲ではトークショーにも登場。出身地の千葉・松戸市役所へ市長を表敬訪問しただけでなく、父親で師匠の佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)の出身地である山形・天童市にも凱旋訪問した。琴ノ若は各地の挨拶で「優勝して、もう一つ上の番付を目指して精進します」と口にしている。

 そんな琴ノ若が2回訪問した場所がある。母校の埼玉栄高校だ。2月9日は同校相撲部の全国高校総体での団体優勝などの祝賀会があり、幕内で活躍する貴景勝、北勝富士、妙義龍、大栄翔、王鵬、琴勝峰、豪ノ山、武将山らとともに出席している。現在、埼玉栄OBの力士は関取14人(1月場所は幕内10人)を含めた41人という大勢力だ。

 2月13日には埼玉栄で大関昇進報告会を開き、在校生2200人の前で琴ノ若は「栄中学、高校の6年間で培った気持ちを胸に、上を目指して努力してまいりますので、ぜひ応援よろしくお願いします」と挨拶した。それを受けて相撲部の山田道紀監督は「貴景勝も大関にいるが(埼玉栄から)1人でも横綱になってほしい。緊張感を持たないといけない」と話している。相撲担当記者が言う。

「同部を30年以上指導しているのが山田監督。日大OBで、卒業と同時に監督に就任し、宿舎で生徒たちと寝食を共にしている。授業前の朝稽古、授業後の稽古を指導するとともに、監督夫妻が部員の食事を作っている。朝、昼(弁当)、夜(ちゃんこ)と三食をすべて作る。毎食10キロの米を炊くといい、優勝した力士が差し入れをしている。

 OBたちの監督への信頼は厚く、貴景勝は膝の故障をした時は高校の宿舎に泊まり込んで専属トレーナーに治療してもらっている。貴景勝や大栄翔は時間があると後輩の指導に顔を出しています。もちろん技術面の指導も優れている。久嶋啓太(元前頭・久島海)と同世代の日大相撲部で活躍し、6連覇の記録を打ち立てた時の団体戦のメンバーだった。田中(英壽・元日大理事長)ファミリーのひとりでもありますが」

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