近年、UFO問題をめぐる米当局の動きが活発化している。そうしたなか、機密情報の公開に前向きとされるトランプ氏が大統領に返り咲けば、任期中にも「地球外知的生命体」の存在が明らかになる可能性があるというのだ。【前後編の前編。後編を読む】
もう隠し通せない
今年11月の米大統領選に向けドナルド・トランプ氏の優勢が報じられるなか、米国防総省やNASA(米航空宇宙局)の動きがにわかに慌ただしくなっている。2020年12月、大統領としてUFO(未確認飛行物体)情報公開の法案に署名したトランプ氏の再登板を見据え、当局員が対応に追われているというのだ。
近年、米国防総省はUFOを「UAP(未確認航空現象)」と再定義。「国家安全保障上の脅威となり得る」とその存在を公に認め、2022年7月に「AARO(全領域異常対策室)」を立ち上げた。
専門家チームで組織されるAAROは1945年以降、当局に寄せられた情報を再検証。昨夏、特設ウェブサイトを開設し、米海軍機が撮影したUAP動画を公開するなど、現在も積極的に情報発信・収集を行なっている。
また昨年7月には、元米軍の情報将校、デビッド・グルーシュ氏らが米下院公聴会で証言に立ち、「米政府は墜落したUAPおよび“操縦者”の遺体を保持、解析を行なっている」と発言。元空軍パイロットらは飛行中に遭遇したUAPについて「物体に翼や回転翼はなく、ピンポン玉のように激しく動いていた」「我々のテクノロジーをはるかに凌駕していた」などと証言した。