米海軍パイロットが撮影した未確認航空現象(UAP)。米国務省が2020年4月に公開(時事通信フォト)

米海軍パイロットが撮影した未確認航空現象(UAP)。米国務省が2020年4月に公開(時事通信フォト)

 中国では昨年2月にも山東省でUAP目撃が相次ぎ、同省青島市の海洋開発局が「撃墜準備」を発令するなど、物々しさを増している。

 はたして、UAPは地球外知的生命体が関与する飛行物体なのか。元JAXA(宇宙航空研究開発機構)職員で、『月探査情報ステーション』編集長の寺薗淳也が語る。

「UAPをめぐる動きの活発化は、米中露を中心とした政治的対立の影響が大きいと考えられます。昨年は米領海上で中国の偵察気球が撃墜される事件もありました。冷戦時は東西の深刻な軍事対立もあり、ときに『UAP=宇宙人の乗り物』として陰謀論的に語られることもありましたが、現在は各国とも極めて冷静な立場で情報開示を進めようとしています。

 無人機やドローンなど、これまで想定しなかった攻撃手段が現実化し、当局としても『正体不明の飛行物体が飛んでいる』情報を開示せざるを得なくなっているのが実情ではないでしょうか。とはいえ、我々、科学者が地球外知的生命体の存在を一切排除しているわけではありません」

 宇宙人がオカルトでなくなる日が来るのか。

(了。前編から読む

※週刊ポスト2024年3月8・15日号

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