梅が咲き始め、早めの春が到来するとともに、海の向こうで熱い戦いの火ぶたが切られる──。
「彼の姿をシャープに撮るために最新のiPhoneに買い替えたんです」
そう声を弾ませるのは、教育評論家の尾木直樹さん(77才)。子供の頃からスポーツ好きの少年だったという尾木ママが熱い視線を送るのは、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(29才)だ。
「日ハム時代から10年以上応援してきましたが、大谷くんはいつもパーフェクト。技術面が素晴らしいのはもちろんのこと、グラウンドに落ちたゴミを率先して拾い、バットボーイに丁寧にバットを渡す誠実で優しい人柄が、もう大好きで……。教育者として子供たちにぜひ見習ってほしいと思っているし、何より彼の姿を見ているだけで、不思議と力が湧いてくるんです」(尾木さん・以下同)
昨年、2017年末より所属していたエンゼルスからドジャースに移籍し、この春先は米アリゾナ州でスプリングキャンプに臨んでいる。打撃練習で早くも柵越えホームランを連発するなど新天地でも絶好調だ。いまや野球の戦績のみならず、飼い犬の名前まで一挙手一投足が注目されるスターとあって、キャンプ地にもファンが殺到。ドジャースでの記念すべき初戦となる開幕戦は3月20日に韓国・ソウルでサンディエゴ・パドレスを相手に行われる。
日本から約2時間のフライトで大谷の勇姿を拝めるとあって、ソウルへの観戦ツアーは倍率800倍。尾木さんはその天文学的な数字をかいくぐって見事当選し、“プラチナチケット”をゲットしたという。
「年初に“今年は大谷翔平を見にいく”という目標を立てたら即実現してビックリ仰天です。すぐにスマホを買い替えて望遠レンズで撮影する練習をしたら、一日で操作法をマスターできちゃった。大谷くんには脳を活性化させる力があることも77才になって改めて実感しました。どんなサプリメントより即効性があります(笑い)」
大谷のプレーから活力を得ている“オーバー70”は尾木さんだけではない。女優の冨士眞奈美(86才)は過去のインタビューで「大谷さんが全力で頑張っている姿を見ると朝からすごく元気が出ます。誇らしくて誇らしくて……」と胸を張り、歌手の研ナオコ(70才)も大谷グッズに身を包んで大声援を送る様子を頻繁にブログにアップしている。
年を重ねてなお、応援する者に力を与える「大谷効果」は海外でも同様。在米スポーツライターの梅田香子さんが言う。
「いまやハリウッドスターやロックスター並みの人気を誇る大谷選手ですが、現地でも野球好きの男性や少年、若い女性だけでなくシニア女性たちも大谷選手の活躍ぶりに背中を押され、夢中になっています。
実際、配偶者の介護をしたり受けたりしている私の友人たちはみんな、“ホームランを打ち、三振も取るオオタニサンのエキサイティングさで変化のない毎日がとても楽しくなった”と口々に言います。大谷選手が生きがいになっているようなのです」(梅田さん)