厳しい採用試験をくぐり抜けてようやくたどり着ける「女性アナ」という仕事。1980年代のフジテレビ「花の3人娘」に始まり、常にスターが生まれてきたが、現在、エースとして知名度を上げているのは井上清華(フジテレビ)だ。女性アナ評論家の丸山大次郎氏は言う。
「『めざましテレビ』のMCも無難にこなしているし、九州女子らしく気が強いキャラも面白い。三谷紬(テレビ朝日)もYouTubeでのダイエット企画で人気を集めました。そういう意味ではアナウンサーとして求められる資質が多様化して、ニュースだけ読めれば、評価される時代ではなくなっている」
一方、30歳前後で退社するアナも増えている。
「田中みな実が俳優やタレント、モデルなど、仕事の幅を広げ、新たなロードマップを作った。田中に続いて森香澄は『インフルエンサ―って何?』という世間からの疑念を寄せつけず、堂々と活躍している。この世代のキャリア選択にはSNSの存在が強く働いているのでしょう」
(文中敬称略)
写真/ロケットパンチ
※週刊ポスト2024年3月8・15日号