4年ぶりに人数制限のない天皇誕生日一般参賀を終えられた天皇皇后両陛下は、元宮内庁職員や各国の外交使節団らから宮殿で祝賀を受けられたのち、上皇ご夫妻の待つ仙洞御所へと向かわれた。上皇ご夫妻への挨拶は、2024年に入って初めてだった。昨年は元日に新年の挨拶をされていたのだが、今年はなぜか行かれなかったのだ。
「両陛下の側近の慣例の会見では、なぜ新年の挨拶に行かれず、天皇誕生日には行かれるのか、という説明はありませんでした。判断が分かれた理由は不明です」(皇室記者)
一般参賀でお召しになったダークブルーのドレスのまま、仙洞御所に入られた雅子さま。車窓を開けられ集まった人々に手を振られたそのご表情は、どこか安堵を感じさせるものだった。
一般参賀から4日後の2月27日、両陛下は森美術館(東京・港区)にお出ましになり、環境危機をテーマにした開館20周年記念展を鑑賞された。
「一つひとつの公務やお出ましには少なからずご負担がかかるはずですが、このところ、雅子さまは短いスパンでも出席されています。ご体調が上向きである証左でしょう」(宮内庁関係者)
3月8日には、ブルネイ皇太子夫妻との午餐が予定される。
「2月9日のケニア大統領夫妻との午餐は、愛子さまの“午餐デビュー”が注目を集めました。雅子さまの席次は、大統領の左隣、大統領夫人の正面でしたが、抜群の語学力で通訳を介さず会話を盛り上げられていました。時折、愛子さまを気にかけるように目を向けられる場面もありました」(前出・宮内庁関係者)
令和6年の皇室は、しかし、順調ともいえない。新年一般参賀は、能登半島地震を考慮して取りやめとなった。
「発災当初から、両陛下は報道を注視され、現地の状況を気にかけられていました。一刻も早く被災地のかたに寄り添いたいというお気持ちもありながら、現地の災害対応などに支障が出てはいけないと、訪問の時機を見極められていたそうです。ようやく3月下旬に訪問される方向での調整が決まりました。目下、関係各所と細かいやりとりを重ねています」(前出・宮内庁関係者)
発災から約2か月が経過したが、いまだに現地では厳しい状況が続く。雅子さまと陛下の励ましは、被災者の力となるに違いない。一方で、両陛下の被災地訪問は上皇ご夫妻の今後にも影響を与えるという。
「現在、上皇ご夫妻は、能登半島地震の被災状況にお心を痛められ、私的な外出を自粛されています。自粛は、少なくとも両陛下が被災地訪問を終えられるまでは続くというのです」(別の宮内庁関係者)
たしかに、昨年は京都へのご旅行や軽井沢でのご静養、都内の美術館、博物館へのご訪問など私的な外出の機会も多かった上皇ご夫妻だが、年が明けてからは一転、そういったお姿は見られていない。