昨年の党大会のようにはいかない(時事通信フォト)

昨年の党大会のようにはいかない(時事通信フォト)

 党政治刷新本部を仕切っているのは岸田首相の側近として知られる木原誠二・幹事長代理だ。

「幹事長の下に党改革実行本部があるのに、総理が直属の政治刷新本部を設置したのは、茂木幹事長に任せれば党改革が骨抜きにされかねないから、自分が党則改正などを主導して総裁の権限を強めるためだ」(同前)

 政倫審で“岸田憎し”を強めた安倍派幹部たちと、岸田首相を見限った茂木敏充・幹事長や森山裕・総務会長らが手を組んで倒閣に動き出せば、政権はひとたまりもない。

 岸田首相はそれに対抗するため、党則改正によって、政倫審で疑惑を晴らすことができなかった安倍派の幹部たちや、政倫審出席を拒んでいる二階氏らを自民党から“追放”できる強力な処分権を手にするつもりなのだ。

 自民党職員を長く務め、自民党政治の裏側を見てきた政治評論家・田村重信氏はこう指摘する。

「総理自身、このままでは自民党内から岸田おろしが起きるという空気は感じているはずです。党則改正を急いでいるのは“処分できるんだぞ”と反対勢力に圧力をかける狙いがあるのでしょう」

※週刊ポスト2024年3月22日号

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