モラハラ、不倫、男尊女卑──尊厳を踏みにじられた妻たちが夫に復讐するさまを、オムニバス形式で描いたドラマ『極限夫婦』(毎週木曜深夜0:25放送中・カンテレ/関西ローカル)。ドラマでは3組の夫婦それぞれの結婚生活の果てにある“極限状態”が描かれているが、なかでも話題になっているのが第3章「北斗夫婦の場合」だ。北乃きい(32才)と平岡祐太(39才)が演じる夫婦のストーリーだが、モラハラ夫に疲弊した主婦・亜紀に対して、常に欲しい言葉を与え続ける亜紀のアルバイト先の謎のイケメン(桜小路司)に共感する声が集まっている。
同ドラマは双葉社が刊行する漫画雑誌「月刊アクション」で連載中の漫画『極限夫婦』が原作。この謎のイケメン、実は、ドラマのために再構成された、オリジナルのキャラクターなのだという。桜小路を演じる俳優の柊太朗(23才)と伊藤茜プロデューサー(以下、伊藤P)が、ドラマが話題になる理由を分析した。
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伊藤P:このドラマ、理不尽な夫に妻が虐げられているシーンがとにかく長いので、本当にストレスが溜まるんですよ(笑い)。
柊太朗:本当ですよね。百歩譲って、家計を全て支えているからという理由で強く出る人はいるかもしれないですけれど、亜紀の夫はリストラされているにもかかわらず理不尽な態度を貫いていて、なんというか……ある意味、根性あると思います。
伊藤P:そんな亜紀の癒しが、柊太朗さん演じる桜小路です。実は原作にも「桜小路」さんという顧客の女性が1コマだけ登場しているのですが、ドラマ化にあたり、女性から若い男性に変更し、オリジナルキャラクターとして膨らまし、再構成させていただきました。コンセプトは「全既婚女性が欲しい言葉をくれるイケメン」です。
柊太朗:とにかくアドバイスが的確。芯を食っているセリフばかりでした(笑い)。なぜセリフのひとつひとつが刺さるか考えたんですけど、彼が聞き上手だからだと思うんですよね。桜小路は、自分の意見を押しつけているわけじゃない。ただ、亜紀のことは絶対に否定しないんです。
伊藤P:亜紀のことを、誰かの母や誰かの妻ではなく、ひとりの人間として見ているよね。彼女が桜小路に色々話してしまうのは、不要なアドバイスや否定は一切なく、ちょっとだけうれしい言葉をくれて、自己肯定感が高まるからという側面もあったと思います。