ビジネス

2024春のダイヤ改正を嘆く「千葉都民」 京葉線「通勤快速」廃止で新築戸建ての資産価値にも影響か

京葉線といえば沿線に東京ディズニーランドがあることでも知られているが、千葉都民の通勤の足でもある。1990年3月、京葉線東京-蘇我間全線竣工開業式(時事通信フォト)

京葉線といえば沿線に東京ディズニーランドがあることでも知られているが、千葉都民の通勤の足でもある。1990年3月、京葉線東京-蘇我間全線竣工開業式(時事通信フォト)

 2024年春のJR東日本ダイヤ改正は北陸新幹線の金沢-敦賀開通が目玉だったはずが、京葉線の通勤快速廃止がちょっとした炎上状態になっている。「千葉都民」と呼ばれるほど、千葉県に住んで都内で働く人が多いことから影響を受ける人が多いためだ。ライターの宮添優氏が、3月16日ダイヤ改正で京葉線通勤快速が廃止されることで人生設計が狂いかけていると訴える人たちの声をレポートする。

 * * *
「片道20分、トータルで40分も通勤時間が増え、子供の送り迎えすら難しい。鉄道は公共交通機関であり、ライフラインのはずです。なのに、利用者の要望はほとんど無視されている。新生活がどうなるのか、家族みんなが、今から不安でしょうがない」

 千葉県のちょうど中央に位置する大網白里市在住の会社員の松田直人さん(仮名・40代)は、東京・有楽町の会社まで、JR京葉線へ乗り入れる「通勤快速」を利用して毎日通勤している。朝5時半に起床し朝食などをとり、保育時間がスタートする7時ぴったりに子供を保育園に送ると、そのまま駅まで自転車で猛ダッシュ。午前7時過ぎの東京行「通勤快速」に飛び乗り、1時間強で会社に到着する。時刻表通りならば始業の9時には余裕をもって到着できるのだが、湾岸部を走り、かつ他線の影響を受けやすい京葉線は遅延も多く、もとより、定時出社が難しくなることは珍しくない状況ではあった。そんな中、京葉線を管轄するJR東日本は、3月のダイヤ改正で、朝夕ラッシュ時の「通勤快速」を廃止し、全ての列車を「各駅停車」に変更すると発表。

 この発表に、松田さんをはじめとした、京葉線通勤快速ユーザーが猛反発。千葉県知事や千葉県内の財界関係者からも、あまりに一方的で強引だと、苦言があちこちから上がっているのだ。

「都内に通えて程よい田舎で、家賃も駐車場代も安い。コロナ禍で在宅ワークが増えたことをきっかけにこちらに引っ越してきましたが、このままここに住むメリットが無くなった。いや、このままだと今の生活が崩壊してしまうのです。引越しも考えていますが、まさか電車のダイヤのせいでこうなるなんて、想像もしていなかった」(松田さん)

 松田さんの場合、確かに状況は気の毒ではあるが、コロナ禍をきっかけにした自主的な疎開の側面が強い。そのため、今後、通勤に便利な場所に引っ越すことで問題は解決するかもしれない。だが、一時的な移住ではなく、その場所に永住しようとしていた人たちからは、もはやすべてを諦めたような、弱々しい訴えばかりが聞こえる。

 千葉駅の隣、JR京葉線快速電車が千葉県内で「最後に」停車する蘇我駅を利用する、千葉市在住の団体職員・藤原亮子さん(仮名・40代)が重い口を開く。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン