独身のときは皇族として公務を担い結婚すれば一般人
女性皇族への「教育」には難しさがある。前出の神田氏が続ける。
「かつて、三笠宮寛仁親王殿下からお聞きした話です。殿下は“娘たちはいずれ結婚して民間人になる。皇族出身だから家事ができない、は通用しない。自分たちで食事の支度をして、電話がかかってきたら内容をメモして、家事や洗濯もできるように教えてきました”とおっしゃっていました」
昨今は女性宮家創設などが議論されているが、現行の皇室典範の規定では、女性皇族は、結婚後皇族の身分を離れる。独身のときは皇族として公務を担うが、結婚すれば一般人となるため、バランス感覚は重要だ。
「両陛下の愛子さまへの教育方針は、まずひとりの人間として、社会における役割を全うできるようになることが中心にあったように思います。雅子さまは一般家庭と同じ環境で子育てすることを望まれました。
愛子さまを連れて東京ディズニーランドへ行き、表参道のクリスマスイルミネーションを見物し、妹の礼子さん一家のお宅を訪れたりもしたのは、そうした教育方針があったからなのでしょう。ただ、そうした教育をされることに雅子さまへのバッシングが起こることも少なくありませんでした」(前出・皇室記者)
自らが皇室に入ってからの苦労や懊悩を思い浮かべればこそ、一般生活との差異を身につけさせようとする母親としての思いと、皇室のしきたりとの狭間で、雅子さまはいつも悩みを抱えながら進んでこられた。そんな母の思いを誰よりも近くで感じ、理解しているのは、ほかでもなく、幼い愛子さまだった。
「小さい頃から自分がほかの子供と違う境遇にいることを理解され、小学校高学年の頃にはご自身が皇族である自覚をある程度持たれていたように思います。愛子さまが2?3才の頃から陛下が海外訪問や地方公務で留守にされた際、雅子さまは父親がどこで何をしているかということを丁寧に説明なさっていたことも大きかったのではないでしょうか」(宮内庁関係者)
(第2回へ続く)
※女性セブン2024年4月4日号