国内

【雅子さまと愛子さまの22年】第1子誕生の祝福モードから「お世継ぎへの期待」への変化 深まっていく宮内庁との溝

静養のため、御料牧場を訪れられた幼少の愛子さまと両陛下(2002年10月、栃木県。写真/JMPA)

静養のため、御料牧場を訪れられた幼少の愛子さまと両陛下(2002年10月、栃木県。写真/JMPA)

 愛子さまが人生の門出を迎えられる。まるでわが子や孫に対するように、ご成長を見守ってきた人は多いはずだ。愛子さまのご誕生からここまでは、平穏な日々ばかりではなかった。「天皇家のひとり娘」という特別なお立場に、戸惑いも感じられてきた。それでも愛子さまが笑顔で節目を迎えられるのは、ほかならぬ雅子さまと、お互いを支え合われてきたから──。【全3回の第1回】

 皇室では、赤ちゃんが誕生すると「お印」と呼ばれるシンボルマークを贈る習慣がある。2001年12月1日、東京・千代田区にある宮内庁病院で産声をあげられた天皇家の長女・愛子さまには、「ゴヨウツツジ」がお印として選ばれた。5枚の白い花弁が美しいこの花は那須御用邸(栃木県)にも咲いており、天皇皇后両陛下は「純白の花のような純真な心を持った子供に育ってほしい」という願いを込めて、愛子さまに贈られた。

 それから22年が経った。愛子さまは3月20日に学習院大学を卒業され、4月からは日本赤十字社(以下、日赤)に嘱託職員として勤務される。一方、学業優先を理由に大学在学中は控えられていた公務を、今後、成年皇族として数多く担われることになる。愛子さまの成長に目を細められる雅子さまだが、その22年は決して平坦なものではなかった──。

 愛子さまが誕生されたのは、世紀のロイヤルウエディングを国民が祝った陛下と雅子さまのご結婚から、8年目のことだった。待望の第1子誕生に世間は祝福ムードに沸いた。

「愛子さまご誕生の2年前、雅子さまのご懐妊の兆候が報じられた直後、稽留流産をされたことがありました。雅子さまには耐えがたく、おつらいことだったと思います。そうしたプレッシャーを抱えながらのご誕生は本当に、世の中がパッと明るくなるニュースでした」(皇室記者)

 しかし、祝福の声はすぐに、「第2子」「お世継ぎ」への期待の声に変わっていった。

「愛子さまを出産された際の雅子さまのご年齢は38才。流産を乗り越えられ“命にかえても”というお気持ちで臨まれた出産だったと思います。それにもかかわらず、誕生間もなく“お1人生まれたのだから、2人目、3人目も期待できる”という声が雅子さまのお耳にも入ったことは想像に難くありません」(前出・皇室記者)

 ご出産から4か月後、雅子さまは会見に臨まれ、「生まれてきてくれてありがとう」と涙を流された。

「雅子さまのお心には、“生まれてきたこの子を何がなんでも守る”というお気持ちがあったのでしょう。出産までの重圧を振り返って複雑な思いを抱きながらも、愛するわが子がすくすく育つ姿を思い、つい涙を浮かべられたのです。皇族が会見で涙を見せることは異例ですが、あのときの雅子さまは、母としての慈愛に満ちあふれていました」(皇室ジャーナリストの神田秀一氏)

 絵本の読み聞かせをされ、近所の公園に足を運ばれる……そんな母としての日常を踏み出されたが、その行動も過剰な関心の的になる。

 2003年5月、雅子さまは1才半になられた愛子さまを連れ、当時の東宮御所からほど近い公園に足を運ばれた。愛子さまは「公園デビュー」され、雅子さまは居合わせた母親たちと気さくに歓談された。ところが、その2日後に再び公園を訪れると、そこにはテレビカメラや記者たちが陣取っていた。

「お忍びのはずの私的な外出がマスコミに知れ渡っていたことに、いろいろな人との出会いを通して愛子さまに成長の機会を作られたかった雅子さまは、大変なショックを覚えられたといいます。一体どこから情報が漏れたのかと、周囲への不信感を募らせました。東宮御所の私室で陛下とふたりきりでお話になるとき、ドアの外に聞き耳を立てている職員がいないか、チェックされていたほどだったと言います」(皇室ジャーナリスト)

 公園デビュー騒動の後には、当時の湯浅利夫宮内庁長官が会見で次のように発言した。

「皇室の繁栄を考えると、秋篠宮さまに3人目を強く希望したい」

 皇太子妃であった雅子さまへの配慮に欠けた心ない振る舞いに、宮内庁との溝は深まっていく。雅子さまは「自分が愛子さまを守らなければ」というお気持ちを一層強くされていった。

関連記事

トピックス

中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
主演女優として再ブレイクしている安達祐実
《『家なき子』から30年》安達祐実が“子役の壁”を乗り越え、「2度目の主演ブレイク期」へ 飛躍する43才女優の今を解説 
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン