2023年10月の放送スタートから本誌『週刊ポスト』は『ブギウギ』と主人公・スズ子(趣里)を応援し続けてきた。彼女を支えてきた俳優たちの想いは格別だろう。最終回を目前に控え、梅丸少女歌劇団の林部長を演じた橋本じゅんが、スズ子に愛の言葉を贈った。
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『ブギウギ』は朝ドラの歴史上の“発明”だったと僕は思っています。15分の放送時間内で緊張感漂うリアルなショーを、本物のOSK日本歌劇団の方々のバックアップのなか、猛練習を重ねたメインキャストが見せるというのは従来の朝ドラとは一線を画する、舞台とドラマの華麗なる合わせ技ですよね。
梅丸少女歌劇団(USK)の林部長はスズ子らが子供の頃からずっと見守ってきた。だから僕自身もステージシーンを見る度に“あの子たちがここまで伸びたか”と感慨を人一倍覚えて保護者のような気持ちで心から喜んでいました。ラインダンスの撮影中は舞台袖から“怪我しないかな”“最後までやり遂げられるかな”とヒヤヒヤしながら見守っていましたが、一糸乱れぬラインダンスをオンエアで観た時は感動して素直に泣きました。
USKのメンバーは趣里ちゃんたち以外ほとんどがモデルとなったOSKの現役団員でしたから、稽古もステージもガチなんです。その中で趣里ちゃんたちは見劣りせず、むしろ一番華があるように見えなければならないというプレッシャーもあった。そうして皆で稽古や撮影を乗り越えてきたから、本物の劇団のように結束が強まった!
スズ子には苦難が次々と降りかかりますが、その度に前を向き、笑顔で乗り切っていきます。“しんどい時こそ前を向こう”というマインドは趣里ちゃんとも重なります。