国内

内臓脂肪を減らす薬『アライ』を40代女性ライターが体験 2日目夜にトイレで異変、“油漏れ”の心配も

購入は『アライ』専用の研修を受けた薬剤師からのみ可能(写真/PIXTA)

購入は『アライ』専用の研修を受けた薬剤師からのみ可能(写真/PIXTA)

“禁断のダイエット”として昨年来、糖尿病薬ダイエットが話題になっている中、4月8日、日本で初めて「内臓脂肪を減らす薬」が薬局の店頭に並ぶ。これは、やせられない悩みを永遠に抱える私たちにとって福音となるのか、それとも──。

 3月4日、大正製薬が、内臓脂肪と腹囲を減らす効果が期待できる市販薬「アライ」の発売を発表。国内では初の「内臓脂肪を減らす薬」で、“日本で初めてのやせる市販薬”として瞬く間に注目が集まった。今年2月には、肥満症薬、いわゆる糖尿病薬の一種であるGLP-1受容体作動薬「ウゴービ」が発売されたが、メカニズムや効果効能はまったく別物だという。医療ジャーナリストの木原洋美さんが解説する。

「GLP-1はインスリンの分泌を促し血糖値をコントロールおよび脂肪を分解する効果があります。小腸のほか、胃腸や脳にも働きかけ食欲を抑える作用もあるため“体重が減る”と注目されました。

 アライは消化管の管腔内で、脂肪分解酵素リパーゼの活性を阻害し、食事由来の脂肪の吸収を抑制する薬です。通常、食事中に含まれる脂肪はすい臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに加水分解されて腸管など消化管から体内に吸収されます。アライの有効成分であるオルリスタットは、このリパーゼの活性を妨げることで脂肪の吸収を抑制し、脂肪の約25%が便として排出されることが期待されています」

 木原さんは「作用はもちろん、入手方法も大きく異なります」と続ける。

「ウゴービは医療用医薬品ですが、アライはダイレクトOTC(※医療用医薬品としての発売を経ずに、薬局などで購入できる医薬品)として承認された要指導医薬品のため、医師の診断や処方箋がなくとも薬剤師がいる薬局で購入できます。

 ただし、腹囲の基準(男性85cm以上、女性90cm以上)があり、肥満(BMIが25以上〜35未満)でなければ購入対象とはなりません。肥満症や生活習慣病などの発症リスクの高い“内臓脂肪の過剰蓄積者”を対象にしていて、ダイエット薬というよりは、メタボ予防薬、メタボ専用薬といえます」(木原さん・以下同)

 薬局で購入できるとはいえ、腹囲以外にもいくつかの条件が設けられており、“誰でも簡単に買える”わけではない。

「初回購入時には専用のチェックシートへの記入や、購入1か月前からの生活習慣改善の記録を薬剤師に提出する必要があります。また、単に薬剤師がいればいいというわけではなく、日本肥満学会が監修したアライ専用の研修プログラムを受講した薬剤師でなければいけません」

 かように販売を厳格に管理・制限しているのは、やはり副作用があるから。

「長期投与試験における副作用発現率は約60%。主なものは、お尻からの油の漏れ、脂肪便、便失禁などです。そっとおならをするだけのつもりが、油状の便がじゅわっと一緒に漏れてしまうこともある。本来は必要のない人が使用することで、健康被害が出る可能性もあります」

関連記事

トピックス

「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン