2023年10月の放送スタートから多くの視聴者に愛されてきたNHK連続テレビ小説『ブギウギ』が最終回を迎える。主人公・スズ子(趣里)の幼馴染であるタイ子を演じた藤間爽子がスズ子への愛を語る。
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幼馴染だったスズ子とタイ子はやがて別々の道を歩みます。スター歌手になったスズ子が「陽」なら、対極的な生活を送っていたタイ子は「陰」のコントラストでした。
戦後しばらくして2人は再会しますが、タイ子は身を落としてしまった自分が情けなく、その姿を大好きな親友に見られることが恥ずかしくてスズ子を拒絶します。私自身、演じていてすごく複雑な気持ちになる場面でしたが、最後はお互いに本心を伝え合うことができて元通りの関係に戻ります。
劇中と同じく私も久しぶりに再会した趣里さんとの撮影でしたが、グッと抱きしめられた時は自然に涙がボロボロと溢れてきました。趣里さんとスズ子、私とタイ子、その4人がガッと重なったような、不思議な感覚を覚えましたね。
趣里さんは芝居中だけでなくカメラが回っていないところでも目で追いたくなるような不思議な魅力を持つ方で、ちょっとした時の笑顔や反応がとてもチャーミング。初対面なのに“あれ? 同級生だったよね”と感じるような親しみやすさがありました。先輩ですけれど(笑)。
本当に気さくでカラッとした方で、笠置シズ子さんが現代にいたらこんな人なんだろうなと思います。現場ではいつも明るく、誰に対しても親切で、分け隔てなく皆さんと接していました。
私の母(島村佳江)も女優でしたが、若い頃に趣里さんのお父さんの水谷豊さんとドラマ(『熱中時代』)で共演していたんです。現場で趣里さんと「私たちの親って共演してるよね」という話もしました。不思議なご縁だなと感じましたね。
【プロフィール】
藤間爽子(ふじま・さわこ)/1994年生まれ、東京都出身。主な出演作に映画『夜明けのすべて』『大名倒産』、ドラマ『マイファミリー』『silent』、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『ちむどんどん』など。日本舞踏家・藤間紫としても活躍。
※週刊ポスト2024年4月5日号