混戦のレースではデータが生きることが少なくない。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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大阪杯はGⅡ時代から1番人気が堅実で、平成以降の35回で19勝、28頭が3着以内に入っている。高松宮記念と違ってノーザンファームは強いし、ディープインパクト産駒にいたってはGⅡ時代からの10年間で6勝2着5回3着5回と圧巻だし、4歳牝馬も勝っている。しかし、今年はこのレースが合いそうな実績馬の多くがドバイの1800mや2400mを選択して混戦模様。しかも「勝っていない」条件が意外とある。
【キングカメハメハ系が勝っていない】
直子が7頭、ロードカナロア、ルーラーシップ、ドゥラメンテを合わせると、7年間でのべ16頭出ているが、昨年のスターズオンアース2着が最高。母の父としても8頭いるがやはり勝っていない。
該当馬=ジオグリフ、スタニングローズ、べラジオオペラ、ミッキーゴージャス、ローシャムパーク
【2008年以来社台ファーム生産馬が勝っていない】
ノーザンファーム生産馬は2018年から5連勝しているが、社台ファームからはGⅡ時代の2008年ダイワスカーレットが最後。
該当馬=ソールオリエンス、べラジオオペラ、ルージュエヴァイユ
【関東馬は24年間勝っていない】
中山で古馬マイルのダービー卿チャレンジトロフィーがあるため、参戦そのものが少ないが、最後に勝ったのは1999年のサイレントハンター。その後24年間で62頭が出走、うち5頭は1番人気に推されたが勝てなかった。
該当馬=エピファニー、ジオグリフ、ソールオリエンス、タスティエーラ、ハヤヤッコ、ルージュエヴァイユ、ローシャムパーク
【7歳(以上)馬は18年間勝っていない】
2005年のサンライズペガサスは、2002年のこのレース以来の勝利だった。
該当馬=カテドラル、ハヤヤッコ