国際情報

佐藤優氏が緊急分析 モスクワ銃乱射テロで第三次欧州大戦の危機が急迫、日本が担うべきは「西側とロシアの仲介役」

モスクワ銃乱射テロは何の予兆なのか(プーチン大統領/時事通信フォト)

モスクワ銃乱射テロは何の予兆なのか(プーチン大統領/時事通信フォト)

 140人以上が死亡したロシア・モスクワでの銃乱射テロ。「イスラム国(IS)」が犯行声明を出す一方、プーチン大統領はウクライナの関与を示唆し、ゼレンスキー大統領が全面否定する展開となっている。そうしたなか、水面下で危機的状況が迫っていると警告するのは、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏だ。一体、何が起きようとしているのか。

 * * *
 テロは3月22日、モスクワ郊外のコンサート会場で起きた。自動小銃を乱射した男たちは、建物に火を放って逃げた。3日後の対策会議の場でプーチン大統領は、テロはイスラム過激派によるものだとしつつ、「誰がそれを依頼したかに関心がある」と述べて、客観的な捜査を指示した。

 と同時に、ロシアの民間インフラなどへのウクライナの無差別攻撃を挙げ、「血なまぐさい脅迫行為(今回のテロ)は、この一連の流れに極めて論理的に適合している」と、ゼレンスキー政権の関与を匂わせた。

 怪情報や的外れな分析も飛び交っている。

「ロシアが自作自演で起こしたテロだ」と語る“専門家”もいるが、根拠が示されていない。

 また「事前にテロの兆候を掴んだアメリカが情報提供をしたのに、ロシアが無視した」という報道もあるが、これも事実と異なる。事件の2週間前の報道を引用しよう。

〈在ロシア米大使館は7日夜、「過激派がモスクワでコンサートを含む大規模な集会を標的にする差し迫った計画がある」として、警戒情報を出した。発表から48時間の9日夜までは、人混みを避けるよう自国民に呼び掛けている。(中略)ロシア・メディアも情報を一斉に報じた〉(3月8日、時事通信配信)

 最後の一文が示す通り、米国の警告はロシアで報じられた。したがって政府は無視していない。

 テロ情報はピンポイントの時限性が重要で、この警告では「3月7日から48時間以内」となっている。この警告は“空振り”に終わり、期限を10日以上過ぎてから別の話として今回のテロが起きたということだ。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン