麻生太郎氏(時事通信フォト)

麻生太郎氏(時事通信フォト)

 政治評論家の有馬晴海氏はこう語る。

「岸田総理は早くから今年6月の解散・総選挙を念頭にシナリオを練ってきた。鳴り物入りで打ち出した所得税の定額減税の実施時期をわざわざ6月にしたのもその布石の一つ。

 しかも、経済団体に賃上げを強く要請して今年の春闘では一斉に大幅賃上げ回答が出され、夏のボーナスは上がる。そこに減税も重なるからちょうど選挙期間にサラリーマンの手取りは大きく増える。株価も過去最高を更新し、景気のマインドも良くなった。加えて米国訪問という華々しいイベントでアピールし、このまま解散・総選挙に突き進む姿勢です」

 裏金問題で自民党への批判が強いことも、岸田首相は逆にチャンスと計算しているというのだ。

「自民党議員は大逆風を感じているから、総選挙になれば勝敗ラインは下がる。総理はたとえ議席を大きく減らしても、自公で過半数さえ取れば、“国民の信を得た”とするつもりでしょう。そのためには何でもやる構えです」(有馬氏)

第2回に続く

※週刊ポスト2024年4月26日号

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