小林製薬の「紅麹」の健康被害が拡大したことで、健康食品やサプリのリスクに注目が集まっている。薬と同様に期待されるメリットとリスクがある健康食品やサプリだが、専門的な知識を持つ医師たちは、自身の身体や患者との向き合いのなかで、どう活用しているのか。複数の医師たちに聞いた。
内科医の大橋博樹医師(多摩ファミリークリニック院長)が毎日欠かさず飲んでいるのは青汁だ。
「仕事が忙しくて昼食を食べられないことが多く、夕食だけでは1日に必要とされる350グラム以上の野菜を摂取できません。野菜不足を補うため毎日せっせと青汁を飲んでいます」(大橋医師)
多くのサプリを愛用するのは泌尿器科医で日本抗加齢医学会の評議員を務める永井敦医師(川崎医科大病院長)。アンチエイジングとの関わりでサプリと接する機会が多く、自らも摂取するようになったという。
「コエンザイムQ10と亜鉛は、男性不妊症の改善にも役立つと考えられていますが、私は抗酸化作用によるエイジングケア効果を期待しています。最近はパソコン作業で目がしょぼしょぼするようになって、ルテインで改善を図ってもいます」(永井医師)
そんな永井医師がとりわけ効果を実感したのがDHA・EPAだ。
「血液がサラサラになり、脳卒中予防に加えて認知機能の維持が期待できます。実際に服用を始めると数字等の記憶力が改善した実感があり驚きました。私は肌が弱いので、日焼けや肌乾燥を予防するアスタキサンチンも愛用しています」(同前)
複数のサプリを服用する永井医師は、同じ成分のサプリをどう見分けているのか。
「製造工程での安全性が高いと期待できる大手メーカーか、広く使われている“ブランド力”を重視しています。ですが、毎回ドラッグストアの薬剤師さんに質問して選んでいます」(同前)