警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、「女ヤクザ」という存在について。
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“女ヤクザ”の記事が、いくつかのウェブメディアで公開されている。主人公は『「女ヤクザ」とよばれて-ヤクザも恐れた「悪魔の子」一代記』の著者・西村まこ氏だ。記事によると、西村氏は女性でありながら、暴力団の親分の盃を受けて組織の組員となり、さらにヤクザの若衆として活動していたのだという。日本で初めて国に「女性暴力団」と認定され、服役していた刑務所で「ヤクザの脱退届」を書いたという逸話なども載っている。
ヤクザは男社会と思っていたが、女ヤクザが存在したのか。その存在は暴力団業界でどれくらい知れ渡っていたのだろうか。指定暴力団の幹部に聞いてみると「噂にもなっていなかった」と答えられ、ヤクザジャーナリストには「聞いたことがなく、記事を読んで初めて知った」と言われた。暴力団対策を行ってきた元刑事に同じ質問をしたが「聞いたことがない」という。幹部によると「たしか元山口組系暴力団組員のYouTuberで、組員らの更生支援を行う特定非営利活動法人五仁會の会長、竹垣悟氏のところで紹介していたとかで、ちょっと話題になっていたと思う」と話す。
筆者も女ヤクザの存在をこの記事で初めて知ったが、ヤクザたちの多くも同じらしい。女とヤクザといえば昭和の時代は藤純子主演の『緋牡丹博徒』(東映)シリーズが有名だ。主人公の「緋牡丹お竜」こと矢野竜子は女侠客、賭場を渡り歩く博徒だが、親分がいないので暴力団組織の組員ではない。平成では『極道の妻たち』(東映)シリーズがあり、こちらはヤクザの妻である姐さんが主人公である。
「過去には女親分がいたらしいと聞いたことはあるが、最近は極妻のように、ヤクザの女になって、その傘の下で勘違いしている人はいる」と幹部が話すように、組長の妻として姐さんとよばれ、組長の虎の威を借りて子分たちを動かし、女ヤクザになった気分で勘違いするような者はいる。元刑事も「違法賭博やオンラインカジノに女がいても、賭場に女がいるのは見たことがない」と話す。ヤクザの周りには必ず女性たちがいるが、彼女たちがヤクザ社会の中に直接入り込むことはなかったのだ。