スポーツ

《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」

家族思いの大横綱だった(写真は2000年撮影。時事通信フォト)

家族思いの大横綱だった(写真は2000年撮影。時事通信フォト)

 巨星墜つ──大相撲史上初の外国出身横綱で、1990年代に“若貴”としのぎを削り、空前の大相撲ブームを起こした元横綱の曙太郎さんが4月上旬、心不全で亡くなった。まだ54才という若さだった。4月14日には都内で葬儀が行われ、元横綱・若乃花の花田虎上氏(53才)や先輩の元大関・小錦(60才)らが参列。ただ、元横綱・貴乃花の花田光司氏(51才)の姿はなかった。

「“若貴”は絶縁していますからね。曙さんの葬儀といえども、兄弟再会の場にはならなかった。しかし、貴乃花さんは故人を偲んでコメントを出した。いまや取材にほとんど答えない彼がメディアに対応したのは異例のことです。彼にとって、曙さんとの関係はそれだけ特別なもの。貴乃花さんだけでなく、多くの相撲関係者の心に残る名横綱でした」(角界関係者)

 現役時代は身長204cm、体重233kgの巨漢で相手を秒殺する強烈な突っ張りがトレードマーク。何かにつけ「ボクはヒールだから」と自虐的に語るほど、国民的ヒーローの若貴兄弟の前に立ちはだかる憎きライバルの役回りだった。しかし、その素顔は日本人以上に礼節を重んじ、愛の深い人物。愛を貫いたがゆえに、安定を約束された角界を去った人生だった。

「彼の人生最大のターニングポイントは、総合格闘家に転身してK-1でボブ・サップ(50才)と戦ったときではなく、“できちゃった婚”したときでしょう」

 そう語るのは、大手メディアの大相撲担当記者だ。1998年初め、曙さんは、すでにお腹の大きかったクリスティーン麗子さん(当時25才)を、師匠の東関親方(元関脇・高見山、79才)や自身の後援会に結婚相手として紹介した。

 しかし、周囲は猛反対。婚約会見場には、親方も東関部屋や曙個人の後援会関係者も、誰も来なかった。世間も、その前年に婚約者のタレント・相原勇(57才)と一方的に破局した恋愛歴を知っていただけに、冷ややかな反応だった。前出の大相撲担当記者は曙さんに同情する。

「もともと東関親方は自分の娘さんと結婚させたがっていました。後援会も、自分たちの東関部屋や曙さんへの影響力アップのためにと、何人もの女性を紹介していました。要するに政略結婚を目論む周囲を、曙さんは煙たがっていたのです」

 また、冷たい別れ方に見えた相原との破局にも、言い分はあった。2017年にバラエティー番組『今夜解禁!ザ・因縁』(TBS系)で、20年ぶりに2人が再会。相原から「何で(破局を告げる)代理人を寄越して終わらせたの? どうして面と向かって言ってくれなかったの?」と問われた曙さんは、「おれは伝えたつもりだよ。おれが(けがで)相撲が取れないとき、結婚ばかり迫られて、何で励ましてくれなかったの? 頑張りましょうって言ってくれなくて、気持ちが切れた」と、当時の思いを告白した。

 一方、横田基地そばの米軍ハウスに住んでいた麗子さんとは、彼女の両親を含めて英語で気兼ねない会話ができた。日本で孤独を感じていた曙さんが唯一、素でいられる場所だった。

「後援会も曙さんに高級リムジンをプレゼントしたり、相原さんとの結婚披露宴に帝国ホテルを押さえ、某有名政治家に仲人を頼んだりと尽力していたので、双方に言い分はあったのでしょう。結果、この結婚を機に後援会は解散してしまった」(前出・大相撲担当記者)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン