モデルやインフルエンサーとしての顔を持ちながら、女優として今、一躍注目を集めているのが“めるる”こと生見愛瑠(22才)だ。その演技に絶賛の声が上がる理由とは――コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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ネット上に『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)でゴールデン・プライム帯(19~23時)のドラマ初主演を飾った生見愛瑠さんの演技を称える声があがっています。
同作は「事故で記憶喪失になってしまい、自分が何者なのか分からなくなってしまった主人公・緒方まこと(生見愛瑠)のもとに3人の素敵な男性が現れる」というライトファンタジーのムードが漂う物語。第1話が放送された9日以降、Xに「めるるの演技が上手」などと称えるコメントが書き込まれる状態が続いています。
その他でも、検索エンジンに「めるる」と入力すると「ドラマ」「演技 上手い」などの予測変換ワードが表示されるほか、6日放送の『A-Studio+』(TBS系)では笑福亭鶴瓶さんや藤ヶ谷太輔さんが絶賛。また、業界内での評価も高く、私も出演している『週刊フジテレビ批評』の恒例企画「ドラマ放談」でも、識者4人が演技を称えるというケースが何度かありました。
なぜ生見さんはさまざまな人から「演技が上手い」と言われるのか。ドラマ関係者や、取材経験のある編集者などから聞いた話も含めて掘り下げていきます。
モデルでインフルエンサーの下地
前提としてあげておかなければいけないのは、“モデル・めるる”の人気。生見さんは2014年から『ニコ☆プチ』『Popteen』『CanCam』の専属モデルを務めるなど、中学生時代の12歳から現在の22歳まで同年代の女性から支持され続けてきました。
さらにSNSのフォロワーは、インスタグラムが約183万人、Xが約46万人、TikTokが約40万人。フォロワーでない人々も含め、「モデルでインフルエンサーのめるるが思っていた以上に演技が上手かった」という背景が称賛の声を加速させています。
実際、『くるり』の八木亜未プロデューサーは起用理由について、「ファンタジー要素があるけれど共感できる主人公にしたいと考えたとき、生見愛瑠さんが思い浮かびました。明るく可愛らしい“めるる”と、芯のあるお芝居をする“生見愛瑠”。全く違う一面を持っているというところが、様々なキャラを持つ主人公にぴったりと思いオファーさせていただきました」などとコメントしていました。
『日曜日の夜ぐらいは…』(ABC・テレビ朝日系、2023年春)のメインキャストに起用した清水一幸プロデューサーも、同様に“モデルやインフルエンサーのめるる”と“女優・生見愛瑠”のギャップを指摘していましたし、彼女の魅力につながっていることは間違いないでしょう。
また、八木プロデューサーは「芯のあるお芝居をする」と語っていますが、他のドラマ関係者やメディア編集者らと話していても、この見方は一致していました。
全作で演じ続けてきた芯の強い女性
本格的な連ドラデビュー作となった『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ、2021年秋)では、純愛を貫こうとする一方、ヒロインに敵意を見せるヤンキー女性。『日曜の夜ぐらいは…』では、毒母に悩まされ、周囲から冷たい目で見られながらも、ちくわぶ工場に勤めながらたくましく暮らす女性。『セクシー田中さん』(日本テレビ系、2023年秋)では、一見キラキラOLながら、実は生きづらさや虚しさを抱え、主人公との出会いで変わっていく女性。