“憑依女優”の異名を持つ女優・松本まりか(39)が、4月21日にスタートしたドラマ『ミス・ターゲット』で地上波初主演を務めている。松本は、悪事で荒稼ぎする男たちにターゲットを絞り、美貌と巧みなテクニックを駆使する結婚詐欺師・朝倉すみれを演じる。脚本は、『ハケンアニメ!』(2022年)で第46回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した政池洋佑氏が担当する。
松本はいまや、各局が奪い合う演技派女優の筆頭だ。キー局のドラマスタッフが言う。
「これが地上波初主演というのはちょっと意外な気がしますね。10代で芸能界デビューして以降、一時期はオファーがなかなか来なくて不遇の時代を過ごしました。そこから深夜ドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)で、不倫妻を演じた際の振り切った演技で開花しました。
それからはキー局から攻めたテーマのドラマが多いABEMAまで、引っ張りだこの状態です。今作も女性結婚詐欺師というクセのある役柄をどう演じるのか注目が集まっています」
共演者を唖然とさせた
4月某日の夜。『ミス・ターゲット』の撮影に臨む松本の姿は渋谷区の路上にあった。スタッフから「よーい、スタート!」の声がかかると大勢のスタッフと無数のカメラを向けられ、黄色いスカートをはためかせながら急な坂道を猛ダッシュで上り下りしていた。現場では坂道ダッシュにも笑顔を絶やさず、カメラが回っていないところでも「座長」としてスタッフと積極的にコミュニケーションを取っていた。
芸歴24年を迎えた松本のプロ意識は本物だ。テレビ局関係者が言う。
「役作りを徹底して、メイクやスタイリングなどビジュアルも妥協しません。撮影時の集中力もすさまじいものがあります。ある映画では喫煙シーンで髪の毛に火が付いてしまったのですが、そのまま台詞を続けて共演者が唖然としたなんてことも。それは松本さんが遅咲きだったからこそ、1つ1つの作品に対してオファーが来ることのありがたさを誰よりも理解しているからです」
これまでも幾度となく視聴者を驚かせてきた松本の“怪演”が今回も見られるか。
※週刊ポスト2024年5月3・10日号