国内

元工藤會幹部が記した「看護師刺傷事件」の真相 “脱毛施術中”の一言が総裁の逆鱗に触れたか

地元・北九州市では市民による暴力団追放運動も(写真は2017年/共同通信社)

地元・北九州市では市民による暴力団追放運動も(写真は2017年/共同通信社)

 北九州に本拠を置く指定暴力団・工藤會。市民を殺傷した4つの事件をめぐって団体トップの裁判が進むなか、「週刊ポスト」は同會の元幹部である伊藤明雄・受刑者(50)の手記を入手した。そこには、彼が一流大学から工藤會に入った経緯、組織が持つ凶暴性の源泉などが克明に綴られている。一般市民を標的とした過去の凶悪事件にも、伊藤受刑者は深く関わっていた。【全3回の第2回。第1回から読む

 * * *
 工藤會の特徴は一般市民をも攻撃対象とする凶悪性だ。過去には関連施設で機関銃やライフル、ロケットランチャーなどが押収されており、重武装化を進めたことも知られる。手記は、そんな工藤會が起こした数々の凶悪事件にも触れる。

 そのひとつが2003年の倶楽部ぼおるど襲撃事件である。工藤會系の組員が小倉のクラブに手榴弾を投擲し、従業員12人に重軽傷を負わせた事件で、実行犯の組員は従業員らに取り押さえられた際に胸部圧迫で窒息死した。このクラブの経営者は暴力団追放運動を主導していた。当時、事件を知った伊藤受刑者は驚愕したという。

〈まもなく実行犯がK(原文ママ)だと聞いて、私は胸が潰れる思いがした。Kは2、3か月前に部屋住みを卒業したばかりで、文字通り同じ釜の飯を食った仲間だったのだ〉(伊藤氏の手記より・以下〈 〉内同)

 事件は組織内でも“賛否”が割れたと明かす。

〈「カタギを、ましてや女を巻き込むのはけしからん」という意見もあれば、「ヤクザは怖がられてナンボ。組員が体を懸けるから飯が食える」という声も聞かれた。事実、この時期くらいから、みかじめ料を積極的に取りに回らなくても、人伝で部屋住みの私にさえケツ持ちの依頼が次々と舞い込んでくるようになった〉

〈事件は忌むべきものだと感じていても、現実はこれを契機に懐が潤い始めた。すると、私にしろ他の組員にしろ、身近な者をカネで救えるようになり、求心力は否応なく増していった。かくして組織は必ずしも総裁の意向を汲まずに動きながら、獰猛に肥大していった〉

 2011年には、暴力団排除を進めていた地元ゼネコン企業の男性会長が工藤會系の組員らに射殺される建設会社会長射殺事件が起きた。この頃から警察の職務質問が目に見えて厳しくなったと記す。

〈車内検査を拒否すると、応援のパトカーが来て何時間も車が包囲され、組員は自衛の策として職務質問を録音ないし録画するようになった。あまりにひどいケースは事務局を通じて、それをYouTubeにアップした〉

関連記事

トピックス

還暦を過ぎ、腰に不安を抱える豊川悦司
豊川悦司、持病の腰痛が悪化 撮影現場では“トヨエツ待ち”も発生 共演の綾野剛が60分マッサージしたことも、華麗な手さばきに山田孝之もほれぼれ
女性セブン
桂ざこばさんとの関係が深い沢田研二
【深酒はしなかった】沢田研二の「京懐石で誕生日会」にザ・タイガースのメンバーが集結!ただし「彼だけは不参加でした」
NEWSポストセブン
「DA PUMP」脱退から18年。SHINOBUさんの現在をインタビュー
《離島で民宿経営12年の試行錯誤》44歳となった元「DA PUMP」のSHINOBUが明かした沖縄に戻った理由「念願の4000万円クルーザー」でリピーター客に“おもてなし”の現在
NEWSポストセブン
葉月里緒奈の現在とは…
《インスタでぶっちゃけ》変わらない葉月里緒奈(49)「映画はハズレだった」「老眼鏡デビュー」真田広之と破局から“3度目結婚相手”までの現在
NEWSポストセブン
日本人俳優として初の快挙となるエミー賞を受賞した真田広之(時事通信フォト)
《子役時代は“ひろくん”》真田広之、エミー賞受賞の20年以上前からもっていた“製作者目線” 現場では十手の長さにこだわり殺陣シーンでは自らアイディアも
NEWSポストセブン
主人公を演じる橋本環奈
舞台『千と千尋の神隠し』中国公演計画が進行中 実現への後押しとなる“橋本環奈の人気の高さ” 課題は過密スケジュール
女性セブン
10月には2人とも33才を迎える
【日本製鉄のUSスチール買収】キーマンとなる小室圭さん 法律事務所で“外資による米企業買収の審査にあたる委員会”の対策を担当 皇室パイプは利用されるのか
女性セブン
殺人と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤早貴被告
「収入が少ない…」元妻・須藤早貴被告がデリヘル勤務を経て“紀州のドン・ファン”とめぐり会うまで【裁判員裁判】
NEWSポストセブン
自身の鍛えている筋imoさ動画を発信いを
【有名大会で優勝も】美人筋トレYouTuberの正体は「フジテレビ局員」、黒光りビキニ姿に「彼女のもう一つの顔か」と局員絶句
NEWSポストセブン
シンガーソングライターとして活動する三浦祐太朗(本人のインスタグラムより)
【母のファンに迷惑ではないか】百恵さん長男の「“元”山口百恵」発言ににじみ出る「葛藤」とリスペクト
NEWSポストセブン
交際中の綾瀬はるかとジェシーがラスベガス旅行
【全文公開】綾瀬はるか&ジェシーがラスベガスに4泊6日旅行 「おばあちゃんの家に連れて行く」ジェシーの“理想のデートプラン”を実現
女性セブン
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン