2025年4月に開催予定の日本国際博覧会「大阪・関西万博」まで、あと1年を切った。
刻一刻と迫る会期にもかかわらず、建設予定は遅れに遅れ、海外パビリオンに至ってはまさかの「間に合わない」懸念も報じられている。一方で当初1250億円と見積もられた建設費は最大2350億円 にまで膨れ上がっているといい、各所から万博開催への懸念点は噴出するばかりだ。地に足のついていない施策も多く、「そもそも開催する必要があるのか」と、その是非さえ問われている。
例えば、今回の万博のシンボルとして建設が進められているリング状の木造建築物「大屋根」。完成すれば世界最大の木造建築となる。約344億円と高額な建設費用をかけるが、万博後の活用方法は定まっておらず、ただの廃墟を増やすだけとなる可能性がある。
また、会場に用意する40カ所のトイレのうち8カ所は、「デザイナーズトイレ 」だ。しかもそのうち便器数が50~60個という2カ所の大規模な公衆トイレはそれぞれ建設費用が2億円。「高すぎる」と物議を醸している。
クリーンでおしゃれなイメージを打ち出したい理想があるようだが、迷走しているように見える大阪市。そうした懸念点が浮上するなか、大阪市は環境整備の一環として、万博開催に合わせて市内全域の公道や公有地での路上喫煙禁止も検討していることはまだ知られていない。