カメラマンの注文に瞬時に応えて抜群の動きと表情を見せる。4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子だが、躍動感と清潔感は今も変わらない。去る2月に東京・渋谷で開催された記念コンサートでも2時間半ノンストップで歌い踊り、約2000人の観客を魅了した。選曲はもちろん、衣装、演出、構成も本人のプロデュースだった。
「デビューした頃は『もっとうまくなりたい』と、自分のことで精一杯でしたが、今はどうやったらお客様に喜んでもらえるかを第一に考えるようになりました」(荻野目、以下同)
その変化は結婚と3人の育児を経て活動を再開した2014年に遡る。休業を経て歌える喜びを再認識し、観客の反応が自身のエネルギーになることに気づいたのだ。それは2017年、代表曲『ダンシング・ヒーロー』が再ヒットを記録したことで確信に変わる。
「平野ノラさんや大阪府立登美丘高校ダンス部の皆さんがあの曲を使ってくださったことがきっかけでした。日本レコード大賞をはじめいろんなステージで歌わせていただきましたが、イントロが流れた瞬間、皆さんが笑顔になるんですよね。最初にバブリーダンスを観た時は『こんなにキレのあるダンスをする高校生がいるんだ!』と驚きましたけど、そのおかげで幅広い世代の方と繋がることができたのも大きな喜びでした」
同曲は今では盆踊りの定番曲になるなど、老若男女に愛されるスタンダードソングになった。
「たくさんの人にパワーを与えられる曲に出会えて本当に幸せです!」