昨年、38年ぶりの日本一に輝いた阪神のレジェンド、江夏豊(75)、田淵幸一(77)、掛布雅之(68)の3氏による鼎談が実現。ONとの秘話や阪神名物の“お家騒動”について語った3人だったが、やがて話題はV2を目指す後輩のことに……。【全3回の第3回。第1回を読む】
掛布:さて、やっぱり昔話に花が咲いてしまいましたが(笑)、最後に阪神の連覇には何が必要でしょうか。先ほどは投手陣のお話がありましたが、僕は左の長距離砲としてサトテル(佐藤輝明、25)が気になりますね。4年目ですが、今も1年目の頃と同じ「インコース高めの速い球」で攻められている。バッテリーからすると、すごく対戦しやすいわけです。
江夏:たしかにインコースは課題だろうな。
田淵:とにかくボール球を振ってくれるなと思う。そういう先入観をなくした時にアイツは大成するよ。カケ、あなたが教えればいいじゃない。佐藤が5番でしっかり打てば、チームは変わるよ。近本(光司、29)や中野(拓夢、27)の上位打線はしっかりしてるから。俺は4年目に34本打った。だから今年は佐藤には30本台を打ってほしい。
江夏:ほかはどの選手が気になる?
掛布:やっぱり「ホームランバッター」ですかね。佐藤もそうですし、昨年ブレイクした森下(翔太、23)もいいですね。
田淵:森下は最高にイケイケでいいよな。ホントに気持ちよくバットを振ってるから三振しても気にならない。
掛布:今年は去年のような独走にはならないんじゃないですかね? 中日は結構いい補強もしたし、巨人の野球も変わった。
田淵:変わった。スモールベースボールじゃないけど、今はもうホームランでどうのこうのって時代じゃないからな。
掛布:僕らからすると、やっぱり阪神と巨人が優勝争いするのがいいんじゃないですか?
江夏:その2チームが争っているほうが盛り上がるからな。