再始動の兆しが見え始めた中森明菜(58)。中森明菜が59歳の誕生日を迎える7月13日には、ファンクラブ会員を対象にしたイベントが開催されることが明らかになった。最後にファンの前に姿を見せてから6年半。誰もが待ち望んだ復活までの軌跡を辿った。【前後編の後編。前編から読む】
ラジオでデビュー曲を
デビュー40周年を迎えた2022年、止まっていた時間が動き出した。
同年8月、新たに個人事務所を立ち上げた明菜は、公式ツイッターを開設。沈黙を破った彼女が真っ先に綴ったのは、ファンへの謝罪と体調の報告だった。〈ゆっくりになってしまうと思いますが、歩き出していきたいと思います〉との言葉通りに、明菜は“スローモーション”ながら着実に歩み始めた。芸能記者が語る。
「同年末に新たなファンクラブを発足。2023年4月には、1989年の“伝説の野外ライブ”の劇場版が全国公開されました」
2023年4月にはファンクラブ会員限定のラジオ番組配信がスタート。そこでは思わぬハプニングも。
「明菜さんがファンの求めに応じ、『スローモーション』を口ずさんだのです。“皆さんの前でちゃんと歌いたい”と途中でやめてしまったのですが、リスナーは大喜びでした。他にも“お酒がなかったら生きていけない”などとあけすけに明かし、『ヤンチャな明菜が帰ってきた』とファンは小躍りしました」(前出・芸能記者)
2023年11月、約40年ぶりにセルフカバーした『北ウイング-CLASSIC-』を発表して久々に歌声を披露した。一足先にラジオで楽曲が流れると、SNSは歓喜の声で埋め尽くされた。
そして完全復帰までの最後のステップとなったのがYouTubeだ。
今年4月に入って、公式チャンネルで〈5月1日のデビュー記念日に向けて、4月3日より毎週水曜日にセルフカバー最新動画を公開!〉と銘打ち、動画の配信を始めたのだ。記念すべき初回は21枚目のシングル『TATTOO』だった。
「1988年の発売時は真っ赤なボディコンミニスカで熱唱した曲を、ジャズバージョンでしっとりと歌い上げました。カメラに向かってはじける笑顔でピースする姿も印象的で、再生回数は600万回に達しました」(同前)
続けて『BLONDE』、『北ウイング』、『スローモーション』など5曲を配信。すべてジャズバージョンのため、一部メディアは「もう声が出ないから」と報じたが、アイドル評論家の中森明夫氏はこう反論する。
「ジャズアレンジは明菜さんのプロ意識の高さの表われです。現在の技術ならいくらでも力強い声に加工できるけど、今の自分が歌える自然な声をファンに届けたくて、アレンジしたのだと思います。映像で見た明菜さんはとても良い表情をして、“歌う意欲”は失われていないと感じました」
アーティストとしての“DESIRE-情熱-”が冷めることはなかったのだろう。