天皇家の長女・愛子さまは4月から、日本赤十字社(以下、日赤)の嘱託職員というお立場で、仕事に励まれている。4月30日、この日も勤務を終えた愛子さまは、足早に車に乗り込み、向かわれたのは東京都内のコンサートホールだった。
愛子さまは会場で、白、ピンク、青を基調とした大きな花束と、その隣に置かれた親友の生前の写真を目に焼きつけられただろう。行われたのは、昨年4月、闘病の末に亡くなった、愛子さまと同級生の若き天才チェリストを偲ぶコンサート。愛子さまは招待を受け、両陛下とともにお忍びで足を運ばれたという。公務やお出ましでは朗らかな笑みを見せられる愛子さまだが、その日は真剣な表情で、ただ静かにステージを見つめられていた──。
愛子さまがご覧になったのは、「チェリスト 山本栞路を偲ぶ 一年祭メモリアルコンサート」だ。山本さんは、愛子さまの学習院初等科時代の同級生だった。
「愛子さまも山本さんも、初等科の管弦楽部でチェロを演奏していました。チェロは10人ほどで、当時から山本さんの腕前は随一でしたから、愛子さまは学ばれたことも多かったでしょう」(学習院関係者)
初等科卒業後も交流があった。学習院の幼稚園児から大学までの在校生やOB・OGまでが参加する演奏会「オール学習院大合同演奏会」に、揃ってチェロで参加していたのだ。
「愛子さまは山本さんの隣で2016、2017年と2年連続で、チェロを演奏されていました。演奏の前後には山本さんと談笑される場面もあり、気の置けない友人関係であったことがうかがえました」(前出・学習院関係者)
山本さんは、学習院中等科を卒業後、名門校・桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)に進学。在学中の2019年、全日本学生音楽コンクールで全国大会1位に輝き高校を主席で卒業した。
「山本さんの高校の同期には、木村拓哉さんの長女で、現在はフルート奏者のCocomiさん(23才)がいます。2人は、在学中にコンサートで共演したこともありました。志を共にする仲間として切磋琢磨してきたことでしょう」(音楽関係者)
山本さんは卒業後、特待生として桐朋学園大学に入学。オーケストラやグループのみならず、ソリストとしても活動し、将来を嘱望されるなか、病に伏し、21才の若さでこの世を去った。メモリアルコンサートには、山本さんを3才から指導し上皇さまのチェロのレッスンも担当してきた、才能教育研究会・業務執行理事の寺田義彦さんの姿もあった。
「山本くんは幼い頃からチェロが大好きでね。頑張り屋さんで、練習も一生懸命やっていました。だから、上達は早かったですよ。彼が進学して指導をしなくなってからも成長ぶりは耳にしていました。亡くなる約1年前に、オーケストラで演奏している写真をもらいました。まさか本当に亡くなってしまうなんて。まだ若いのに……」(寺田さん)