ドジャース・大谷翔平(29)の口座から約1700万ドル(約26億円)を不正に送金したとして、銀行窃盗罪で訴追された元通訳の水原一平被告(39)。5月14日の公判では約1ヶ月ぶりにメディアの前に姿を見せたが、報道陣からの問いかけには無言を貫いた。その裏で、次々に明らかにされる水原被告の手口。米捜査当局の50ページ近い裁判資料を読み解くと、大谷の年俸が大幅に上がったタイミングで水原被告が違法賭博に手を染め、「闇堕ち」したという新疑惑が浮かび上がった。大谷がエンゼルス入団した当時から、水原被告は口座を密かに狙っていたのではないか──ノンフィクションライターの水谷竹秀氏がリポートする。(文中敬称略)
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大谷の口座がアリゾナ州の銀行で開設されたのは、エンゼルスに入団した2018年の3月だった。その際、水原が同行し、手続きを通訳している。その3年後となる2021年、水原は大谷の口座の電話番号とメールアドレスを自身のものに変更するなど、不審な行動を取り始めた。
2021年は、水原が違法賭博の胴元のマシュー・ボウヤーと出会った年だ。以来、スポーツ賭博にのめり込み、大谷の口座から送金を繰り返している。賭博の泥沼にハマって雪だるま式に負債が増え、大谷の口座に手を出した──そう読み解けるが、現地では異なる見方が出ている。在米ジャーナリストが語る。
「2021年は、大谷の収入が前年から大幅に増えた年です。水原はギャンブルにのめり込む前から、このタイミングで口座情報を書き換えようと画策していたのではないかという声があがっています」